植田寿乃
キャリアコンサルタント/ダイバーシティコンサルタント

女性だけの管理職研修が不可欠

 昨年あたりから女性の活躍推進の中でも、女性管理職の育成という部分に注目して、私に研修を依頼してくる企業が増えてきています。前に男女比率が同じくらいの会社なら、管理職の女性が占める割合が30%くらいまでなっていることが理想の姿であると書いたかと思いますが、その実現にはただ単に頑張っている女性を管理職に抜てきするだけではうまくいきません。女性管理職、管理職候補の育成のための研修を実施することが、絶対に必要です。しかも、それは女性だけをまとめた形でやることが重要です。

 こういうことを言うと、なぜ女性だけに絞るのか、男女一緒でいいではないかという反対意見を言う人たちが必ずいます。しかし、このような意見を言う人は、女性が女性としての人生(結婚、出産、育児)を大切にしながら働き続けることの大変さ、そしてそれは男性が働き続けることと全く違う負荷がかかっていることに気づいていません。女性は男性とは違う独特の悩みを抱えており、その悩みはストレスになり、モチベーションにも大きく響いてきます。

 だからこそ、女性ならではの抱える悩みと向き合いながらも、頑張っていくためのポイントを研修などで知っておくことは重要なのです。つまり、女性にとって、男性はロールモデルになり得ないのです。私自身、ベンチャー企業やANAグループで働いた時には、男性の上司や先輩は仕事をする上での到達すべき目標には見えましたが、人生を含めた生き方のロールモデルに見えたことはありませんでした。

 女性が長く働き続ける時代になった今、定例的なルーチンワークを真面目に数年やって退職というストーリーはなくなりました。ベテランになると、仕事に熟練するだけでなく、成長し後進を育て、チームやプロジェクトを率いるリーダーとなることが求められるようになりました。しかし、女性たちには手本となる、目標となる女性の先輩たちの姿を身近に見つけることは難しいのです。特にリーダー、管理職という立場の女性はまだまだ少ないのが現状です。

 2006年から2007年11月までに7回開催した、日経BP社主催の「女性リーダー育成セミナー」はまさに、そんな管理職、管理職候補の女性たちの育成を応援する内容でした。今は増えていますが、女性に特化した管理職研修も4年前にスタートした時点では、ほかにはない取り組みでした。毎回、あっという間に満席になったのもその希少さがあったからでしょう。7つのクラスの受講生からは、今もメールが届いたりします。この内容の一部は、さらに多くの人に知っていただくために通信教育「女性のためのモチベーション・リーダーシップ」(金融機関編一般企業編)にして、2008年10月から展開しています。