女性内意識格差の責任は組織にある

 女性内意識格差の原因は、女性自身にあると考えている男性管理職はたくさんいます。しかし、それは大きな間違いです。特にモチベーションが低い状態にいる女性たちに対して、本人の問題だと片付けてしまう前によく考えてみてください。入社した最初から仕事に対してのモチベーションが低い人がいるでしょうか?この会社に入社したいと面接に来た時に、やる気がなさそうな人を皆さんの会社では採用をしたのでしょうか?そんなはずはないでしょう。本人の可能性のやる気、能力、成長の可能性を見ながら採用しているはずです。では、なぜそうなってしまったのか?

 ここで、話は2000年以前のオールドキャリアの時代に戻ります。私が1980年代、自動車会社の腰かけOLだった頃、私も含めて女性が会社に勤務するのは3年~5年くらい。結婚するか、私のように既婚者だったら妊娠するまで、ちょっと働くかなといった気持ちの女性たちがほとんどでした。私が与えられた仕事は、毎月の定例的な請求業務のアシスタントでした。30社くらいの取引先から届く、600枚ほどの伝票、それを電卓で計算して納品書や請求書を発行して一覧表に管理する仕事です。

 初めて会社で働くということを体験した1年目、数々の失敗をしながらも、私は働くことが楽しくてしょうがありませんでした。2年目になると、自分の仕事に慣れてミスはほとんどなくなりました。そして、私は3年目、自分の仕事をこなすだけでは時間を持て余すようになりました。同期で入社をした男性は、いろいろな業務を任されていましたが、私は同じ仕事しかしていなかったからです。

 私は直属の部長に言いました。「私も違う仕事をやってみたいです。今の仕事には慣れてミス無くできるようになりましたが、逆に時間が余ってしまいます」。それに対する部長の答えは「余裕があるならいいじゃないか。女の子は同じ仕事をやってくれていればいいのだよ。慣れてきたのなら安心して君に任せられるからね。それに君は結婚しているから、1~2年したら子供ができて辞めることになるだろう。新しいことをやっても慣れる前に辞めてしまっては困るからね」。腰かけOLだった私でさえ、モチベーションをいっそう下げられた言葉としても今も私の心の中に深く残っています。

 つまり日本の会社には、女性は定例的な仕事、サポート的な仕事が向いていると考え、そういう仕事を任せてきた歴史があります。そのため、そういう意識で女性たちを見ている男性管理職は今もたくさんいます。また、妻が専業主婦やパート的な働き方をしている男性の多くは、女性は結婚や出産で会社を辞める、いや辞めたほうが家庭にとってもいいに違いない、だから責任のある仕事を任せても後で、突然辞めるかもしれないから面倒なことになるに違いないと考えています。

 こういったオールドキャリア的な風土が引きずられたままの状況で、同じ仕事に塩漬けにされ、しかも上司からはサポート的な仕事ばかりさせられていたら、自分自身のキャリアや可能性を考えることなど誰もしないでしょう。仕事は給料をもらうためだと割り切り、モチベーションの低下は進み、「どうせ、私なんて」といった意固地な気持ちすら浮かんでいる女性が増えています。特に、一般職で入社をした女性たちに、そういった状況が広がっていることが問題です。広がっているということは、放置すれば、増えていくということなのです。