女性たちは魚じゃない!

 あるグループは、2枚の絵を描いて発表しました、「船の上から魚釣りをしているのが男性管理職、そして海の中で泳いでいる魚が女性たち、1本の釣り糸の下には、魚がたくさんいます。そしてその周りに「昇格」「結婚」「ルイヴィトンのバック」というエサが浮いています。これが1枚目です。自分たちと部下の今の状況を描いたものでした。

 そしてグループディスカッションの結果、導かれた結論は
 「小さな船を大きな船にして、たくさんの糸をたらし餌をいろいろつけて魚釣りをする」
 という2枚目の絵でした。

 この絵を描いたのは、女性部下を抱える30代~40代の4人の男性管理職たちです。グループのリーダーは、教室にいる唯一の女性受講生と私に、「僕たちの偏見が出ているので見ないでほしい、聞かないでほしい」と前置きしてのプレゼンテーションを始めましたが、女性たちではなく他のグループの男性たちから激しい突っ込みがありました。

 「なんで、女性を魚に描いているんだ?おかしいだろう」
 「男性も舟にしているけど、人間は乗っていない。自分も女性も人間じゃないのはなぜだ?」
 「女性部下との間に糸とエサというのは変だろう。糸がないと伝えられないのか?」
 「糸を増やせば女性部下が動くと思っているのか?変だろう」

 そのグループの反論は
 「男性部下の気持ちや言動は理解できるけど、女性部下はまるで未知の生きもののようだ」
 でしたが、それには、さらに他の男性から意見が出ました。

 「だいたい、女性のことを我々男性がわからないなんていうのは嘘だ。だって結婚してれば妻がいる。また、私たち全員、母親から生まれてきている。女性は身近にいる。だから女性のことが全くわからないなんていうのは、おかしいだろう」

 発表したグループは、他の男性たちからの厳しい意見や感想に目を白黒させていましたが、私はこの光景を見ながら、ちょっとほっとしました。そうか、ちゃんと女性活躍推進の中で女性部下の育成、関わり方を真剣に考えている男性管理職は増えているのだと感じたからです。確かに、30代から40歳前後の男性管理職の半分くらいは、気づいているのかもしれません。