部下を生かす言葉の使い方

 なお、部下の強みを知り、生かすうえで気をつけなければいけないのは、言葉の使い方です。清峰高校の吉田監督は、強みを生かして発揮してもらうために、「君ならできる」ということをよく言ったそうです。一方で叱る際には言葉を選び、「心がぶれている」という言い方をしました。この言葉には反論をしにくく、生徒は「はっ」とわれに返ると言います。

 ビジネスの現場でも同様です。「君は伸びる」「君はもっともっと素質がある」「君らしくないね。君にはもっと力がある」と言って、認めて、褒めてあげながら、叱るのです。そうすることで自信がつき、大舞台に立ったとき、「自分はできる」と感じられるのです。

部下の価値観を知る

 つぎは「価値観を知る」です。部下の価値観を知ることで、部下との相互理解が深まり、部下を見る目が養われます。

 以前のコラムで「12の価値観シート」についてお話ししましたが、そのシートを使い、部下と話し合ってみてください。どの価値観が上位にきているのが良い、という決まりはありません。人の価値観は、10人いれば10通りあるのです。部下と話をする過程を通し、部下が重要に思っている価値観が何かを知るだけでなく、なぜその価値観が大事だと思っているのか、その背景を知ることにもなり、部下に対する理解がよりいっそう深まります。

 部下と自分にはお互いに違いがあるということを認め合い、相手が何を重視しているかを知り、それを理解しようとすることが大切なのです。また、部下の価値観を知ることで、その価値観に合わせて仕事を任せることができるようにもなります。

 部下の強み、価値観を知ることで、部下との相互理解が進み、より密なコミュニケーションが可能になり、職場が活性化していくのです。