チームを体験させ、その素晴らしさを実感させる

 「承認する」、「タイプに応じて仕事に取り組ませる」に加えて、現代の若者にとても大切なのが「チームを体感させる」ことです。

 現代の若者は今のリーダー世代と比べると、子供時代に1人で部屋にこもってゲームやインターネットをすることが多く、近所の友だちと集まって遊んだりする機会が少なかった人が多いと考えられます。そのため、集団のパワーの体験に乏しいと言えます。1人ではなく、集団で何かを達成したときや成功したときの感動や喜び、楽しさをあまり知らないのです。

 しかし、仕事は1人でできるものではなく、チームで力を合わせなければ成果を出すことはできません。チームを体感させつるためには、意図的にチームをつくり、チームの素晴らしさを体験できるような機会を設けることです。

 ある仕事上の課題に対して、2人1組、3人1組で議論してアイデアを出させて発表させたり、朝礼などで気になる情報などを発言させたりするのです。こうすることで、1人で考えるとなかなか浮かばないアイデアも、2~3人で話し合えば様々なアイデアが浮かぶことに気づきます。そして、発表したことを評価されると、喜びを分かち合うことができるため、やる気が増すのです。

 チームで取り組む楽しみを体感させると、仕事に対する姿勢も大きく変わってくるはずです。

 今回は、部下との信頼関係を築く秘訣『承認』に焦点を当てながら、チームを体感させることの重要性について解説しました。次回は、部下の強みを伸ばすということについてお話ししたいと思います。

細川 馨(ほそかわ・かおる) ビジネスコーチ株式会社 代表取締役
細川 馨

 外資系生命保険会社に入社し、支社長、支社開発室長などを経て、2003年にプロコーチとして独立。
 2005年にビジネスコーチを設立。エグゼクティブコーチ育成のスクールを主宰。著書に『あなたの成果が爆発的に飛躍するできる仲間の集め方』(日経BP社)、『上司は社員と飯を食え』(日経BP社)、『「右腕」を育てる実践コーチング』(日本経済新聞出版社)など。

※筆者の会社名および役職は執筆当時のものです。