活動ベースの付加価値とは

 ところで、本当に「財務会計ベースの付加価値」で付加価値を捉えてよいのでしょうか。「財務会計ベースの付加価値」には、現在働いている者が生み出しているものも含まれています。地盤、看板、ブランドといったもので得ているものです。ここに問題があると私は考えています。

 付加価値というものは、現在働いている者が生み出したものと捉えた方がよいと思うからです。これが「活動ベースの付加価値」というものです。それでは「活動ベースの付加価値」とはどういうものか説明しましょう。

 下図の「付加価値の捉え方」に示すように縦軸に付加価値(将来の付加価値、現在の付加価値)、横軸に活動(過去の活動の蓄積、現在の活動)をとると付加価値は次のとおり3つに分けることができます。

(1)過去の活動の蓄積によって獲得された現在の付加価値
 過去の活動の蓄積によって獲得している付加価値のことです。会社の看板、営業権、暖簾、地盤、ブランドといわれるものです。基盤のしっかりしたところを引き継いだ営業マンはそんなに努力しなくても売上は計上できます。一方基盤が確立していないところを引き継いだ営業マンは這いずり回って努力しても売上がなかなか伸びないかもしれません。付加価値の中には過去の遺産が大きく、黙っていても獲得できるものがあります。

(2)現在の活動によって獲得された現在の付加価値
 営業活動、生産活動、管理活動、その他ルーチンの活動は「現在の付加価値獲得に貢献する現在の活動」ということができます。付加価値獲得に貢献する活動の大部分をこれが占めています。