(3)現在の活動によって獲得されるであろう将来の付加価値
 研究活動や新製品開発活動などは、直接現在の付加価値獲得には結びつきませんが、将来の付加価値獲得に結びつく重要な活動です。将来の付加価値獲得に結びつく活動としては、顧客満足・顧客創造の活動、新規顧客獲得の活動、さまざまな革新の活動(生産性向上施策、経営管理システムの革新、企業風土の革新など)、人材の育成、社会的責任(環境マネジメント施策など)の遂行等の活動を上げることができます。これらは将来の付加価値獲得への投資とみることができます。

 このように考えると「財務会計ベースの付加価値」は「過去の活動の蓄積」と「現在の活動」によって獲得された「現在の付加価値」ということができます。「過去の活動の蓄積」は基本的に、過去の先輩達が営々と築き上げたものです。このような「過去の活動の蓄積」の要素を含む付加価値を、労働分配率を介して現在在籍している従業員の人件費に割くのが適切でしょうか。むしろ現在在籍している従業員の人件費に割くのは、現在在籍している従業員が活動した結果、得た稼ぎ高をもとに分けるほうが適切ではないでしょうか。現在在籍している従業員が活動した結果、得た稼ぎ高を筆者は「活動ベースの付加価値(Value- added derived from activities)」と呼んでいます。

 「活動ベースの付加価値」は重要な概念ですが、実際計算するとなるとなかなか大変です。簡便に計算するやり方については『要員・総額人件費マネジメント(社会経済生産性本部刊 河合克彦著) 15~36ページ』を参照してください。また次の河合コンサルティングのホームページでも簡便に計算できます。

http://www.kawai-con.co.jp/consul_06_01.htm