「身体症状、精神症状」は外見から判断できるか?

 もちろん、精神症状も認められる。うつ病になると自責的になり、「会社に迷惑をかけているので辞めたい」などと言い出すこともある。辛い状況が続くと、こんなことなら消えてしまいたいと考えたり、自殺が頭によぎるようになる。

 このような状態がそのままにされていると、自殺企図といった最悪のパターンを迎えることもある。

 うつ病では、倦怠感、食欲低下、不眠など身体的な症状が目立つので、周囲からみると身体の不調にみえてしまうことも多い。本人も身体がだるいなど身体症状が中心のため、うつ病になっているとは思わずに精神科以外の科を受診してしまう。当然ながら“異常なし”の診断を受けることが多い。

 精神症状としては、抑うつ気分、意欲低下、自責感などがあるはずだが、身体面の不調にマスクされて、周囲、本人ともに気づかないことも稀ではない。

うつ病の部下への対処法~あなたの一言が同僚・部下を救う

 うつ病という病気は、心の病であるにもかかわらず、多くの身体症状を呈する病気だと理解いただけたと思う。それでは、うつ病をどのように発見し、医療へ結びつけるのがよいのであろうか?

 うつ病は身体症状をはじめ、様々な症状を呈する病気だということは既に述べた。また、うつ病はまれな病気ではない。したがって、体の症状を訴えたとしても、「もしかしたらうつ病?」という考えを常に持っておくことが必要になる。

 仕事のペースが落ちたとき、ぼんやりするようになった時、だるそうにしている時など、業務の進行も大切だが、それ以上に大切なのは部下、同僚彼ら自身である。

 このような時、「最近、元気がないが、大丈夫か」の一言でどれほど救われることか。この一言で堰を切ったように辛さを訴えてくるかもしれない。そうすれば専門家に診てもらうきっかけも生まれる。仕事はトータルな視点で物事を見ることが大切だと思う。その見方を自分の部下、同僚に向ければよいのだ。視野を広く持つことで、あなたの部下は救われるだろう。