植田寿乃
キャリアコンサルタント/ダイバーシティコンサルタント

「制度が整い過ぎて、それにぶら下がる人が出てきたりするのが問題で」
「そうそう、権利主張ばかりが激しくなって、次から次へと要求が出てくる」
「妊娠した瞬間から復帰まで会社に全部サポートしてもらえると思っている人が出てきた」

 3月の女性と組織の活性化研究会(http://newo.jp)のテーマは、「産休、育休取得者のためのサポートと課題」。事前アンケートには研究会登録会社80社のうち約半数の39社が回答するほど、皆が興味あるテーマでした。4月からの保育園入学とともに、育児休暇から復帰する女性が増える時期でもあるからでしょう。いつもよりも更に熱心な意見交換が行われました。

 産休、育休に関しては、法定以上が54%、法定遵守が46%と、制度的には100%整っていました。しかも、利用度合いも高まり、妊娠退職や出産退職する女性がどんどん減ってきたというのがほとんどの企業でした、しかし、そこで出てきた問題として次のような声がたくさん上がっています。

制度よりも素敵な、カンガルーランチ!

 制度が整っているだけでは、「育児休暇中の復帰への不安」「復帰してからの育児との両立のための悩みや不満」を解決することはできません。運用面が問題なのか?もちろん、申請をしにくい雰囲気、特に男性や独身の年上の女性達の冷たい視線といったものがまだある会社もありますが、それでも申請者は増えており、ワーキングマザーは増えています。では何が問題なのかといえば、本人の働く姿勢、労働意欲の部分が注目されています。

「時短だから、こんな仕事しか任せてもらえない」
「私はどうせコストと思われている。皆に迷惑がられているのでは」
「時短中だから、評価がこんなに低いのでは・・・」

 こんな気持ちを抱えながら、悶々としている復帰直後のワーキングママが増えています。だからこそ、周囲との相互理解、相互支援の心理サポート面が一番重要です。

 今回のロート製薬(株)総務部人事グループ 山本明子さんは、自らも時短を取りながら2人の息子を育てているワーキングマザー。発表にも自分自身の体験や気持ちが盛りだくさんでした。女性が半数を占めるというこの会社では、性別、年齢に対しての差別などを撤廃したフラットな環境を2000年以前に風土改革の中で実現している先端的な会社です。だからこそ女性の力というものを大切に考えており、30代の女性達が次々に産休、育休に入り復帰する中、早く会社に戻って頑張ってほしいというのが会社の切なる希望です。