3つのポイントを重点的に延ばす

 チェックリストに挙げられた20個の強みの中で、私が「若手」にとって重要だと考えているのは、17のコミュニケーション力、19の向上心、20の達成意欲の3つです。

 コミュニケーション力は一朝一夕に培われるものではなく、積み重ねによって上達していくものです。例えば、クライアントとどのような態度で接するのか?チームで仕事に取り組む場合、どのように報連相を行いコミュニケーションを図っていくのか?・・・など。こうしたことを若い頃に徹底的に学んだかどうかで、その後の仕事のスタイルが大きく左右されることになります。クライアント先に連れていくなど、OJTを活用してこの重要性を認識させ、強みにしていくきっかけをつくるとよいでしょう。

 また、若手には、向上心を持たせることも大切です。意欲を持って学び、先輩から多くを吸収し、挑戦していく姿勢を身につけるよう促しましょう。同時に、達成意欲を持たせることも欠かせません。何かを達成しようとする意欲がなければ、今以上の成功も成長もありません。成功体験を積ませ、達成することの喜びを味合わせてあげることで、若手に達成意欲を持たせることができます。

 本人が好きだと思っていることや強みだと感じていることが活かせる仕事を、思い切って任せてみるというのも強みを伸ばす方法のひとつです。たとえば「想像力」が強みだという部下には、「最近チームのモチベーションが下がっているように感じています。チームのモチベーションが上がる方法をいくつか考えてくれませんか。」とお願いするのです。そして、素晴らしいアイデアが出てきたなら、しっかりと褒めてあげましょう。強みを褒められると、人はさらに伸びるものです。

 繰り返しになりますが、若い頃には強みを伸ばすことに専念することが重要です。様々なことを吸収できる成長期に強みをしっかりと伸ばすことで、その後のさらなる成長につながっていくのです。

悩みを聞きだす「困ったちゃん会議」

 若手の強みを見つけるのと同時に、とても重要なのが、「困ったこと」が起こったときに、自分ひとりで抱え込んだり、悩んだりしないで済むようにすることです。以前、知人からこんな話を聞いたことがあります。

 中途入社してきた20代の人がいました。彼は試用期間中であったこともあり、上司から下りてくる多くの仕事を、断れずにすべてを引き受けて取り組んでいました。そして、突然、心筋梗塞を患って亡くなってしまったそうです。

 これほど悲しいことはありません。誰かが気づいていれば、防げていたかも知れない事態なのですから。ひとりで抱え込み、誰にも相談できない状況がこのような結果を生み出してしまった可能性はあります。

 そこで、私が提案したいのは、『困ったちゃん会議』です。「会議」と言っても、堅苦しいものではありません。ミーティングや朝礼、会議などで「何か困ったことはないか?」と聞いてあげるだけです。もちろん、日頃から「困ったことはないか?」と声をかけてあげることができればそれに越したことはありません。