植田寿乃
キャリアコンサルタント/ダイバーシティコンサルタント

「今日は初参加で、何も分からず緊張しています。実は昨日、人事異動で人事部のダイバーシティ担当となりました。今までは大阪で営業をやってきていたので、今回の異動で男性の自分がこの担当となったことにかなり驚いています。ただ、今、このテーマが女性だけの問題ではないんだということを少し感じています。この研究会に参加されている皆さんの会社で、男性が担当という会社がありますでしょうか?」

 これは、4月の女性と組織の活性化研究会(http://newo.jp)のディスカッションの場で出た、初参加の男性メンバーの素直な発言です。この発言に私は世の中のダイバーシティの流れを感じました。彼の組織はメガバンクで、ダイバーシティ活動に長く取り組んでいます。しかし、今までは女性の方々が担当をしてきました。初めて男性担当を配置したことは、大きな節目を迎えているようだと感じます。

 今回4年目35回を迎えた研究会の今回の参加メンバーはオブザーバーをいれて28名。その男女比率は、女性22名に対して男性6名で、男性の比率が21%でした。2006~2007年、男性が研究会に参加した記憶がありません。2008年には30名前後集まる研究会に1~2名男性が混じることがたまにあるかなという感じでした。そして昨年からは2~3名の方が参加するようになり、今年に入ってからは4~6名と増えています。まさに女性活躍推進、ダイバーシティの推進が、女性に特化したテーマでなくなってきたことを表しています。

担当になれば気づく、自分自身に密接なテーマ!

 「ダイバーシティ、女性活躍推進が他人ごとでなくなる気づきの瞬間」という研究会のテーマの事前アンケートには30社の方々が答えてくださいました。それによると、女性たちが自分の問題としての認識している会社は50%以上に対して、男性で認識が薄いまたは無いといった認識をしている会社が60%以上という結果に。男性が自分のこととして意識するきっかけや、タイミングが無いからのようです。

 なぜなら、担当者となり研究会に参加するような人は、男性女性を問わず80%の方が自分自身に深くかかわる問題という認識を持っていました。つまり、きちんと向き合う機会があるかどうかそれが重要です。研究会に上司部下のペアで参加されるようになって、このテーマが介護やシニア、そして外国人雇用といった会社でのテーマであると同時に自分自身の身に密接に関わるものとして気づく――。そんな気づき推進派となっていた男性達を私は実際に見てきました。

 現在、この研究会には男性が少ないものの、女性においては20代~50代、独身、既婚、育児中、妊娠中など様々な方が参加されています。今回参加の男性の中には、妻の第二子出産で育児休暇を取得経験がある方もありました。まさに、研究会にダイバーシティ(多様性)を感じます。

 女性活躍推進、ダイバーシティ推進に取り組んで数年が経った企業が増えてきました。この4月の人事異動でメンバー交代があった企業も多いはずです。そこに、男性が入ってきましたか?もし、男性メンバーが入ってきたなら、あなたの会社は間違いなく、正しい道を進んでいます。しかし、女性ばかりが担当、しかも子育て支援等の制度や施策だけに目が向いているのであれば、まだまだ初期段階にあるといえます。