これまで人材開発業界で使われてきた言葉で、「早期戦力化」という言葉があります。ICT業界で新卒人材が活躍できる人材になるためには、習得しなければならない知識やスキルが多岐にわたります。そしてこれからも一層増え続けるはずです。ICT業界における「早期戦力化」は、「現場ですぐに役立つスキルを身につけさせる」という一般的な文脈に加えて、「早期から教育施策を打つ」という文脈でも考えなければならないと考えます。

 では内定者研修を見直すにはどんな切り口が有効なのでしょうか?

「出口戦略」という観点を導入してみる

 内定者研修を見直す際の切り口として、「出口戦略(英語でExit Plan)」という考え方が参考になると思います。この出口戦略は、ベンチャーキャピタルがクライアント先の企業を上場させてキャッシュを得るまでの戦略のことを指します。私は、「クライアント先」を「新卒人材」に置き換えて考えると、人材開発部の皆様の仕事も同じではないかと思っています。つまり人材開発部の成果は、「採用段階で投資した人材」を人材開発施策という手段を使って「現場で活躍できる人材(=稼げる人材)」にチェンジする確率をいかに高めるか、にあると言えるのではないでしょうか?

 出口戦略という観点で内定者研修を見直す際のポイントは次の2つです。

 ポイント1 出口はどこか?その時点でどんな状態になっていればよいか?(出口の定義)
 ポイント2 その定義実現のために内定者研修期間に何が必要なのか?

 言い換えれば、ゴールとゴール達成に必要な育成施策の明確化になります。とてもシンプルな問いなのですが、私の経験上きちんと定義できていない方が多いように感じます。「どんな研修が必要なのか?」の前に上記2つのポイントに関して、人材開発部内で議論されてみてはいかがでしょうか?

 また下図は、出口戦略からそこにいたるまでのプロセスや研修内容までをお客様と定義する際に私が使用しているモデルです。STEP1~3の順番で話し合うと、出口戦略が効率よく議論できます。また、研修企画も纏まりやすいので参考にしてみてください。