では新入社員にいきなり、ICTテクノロジーの横断的な理解のための研修を実施すればよいのかというとそうではないですよね。なぜなら、「ICT=(クライアント)PC」というイメージの新人の頭の中に受け皿が全くないからです。前回のコラムでご説明したGPCモデルを参考にすると、【G】ゴールに対する適切な【P】学習プロセス(研修実施の順番)を考える必要があります。

片思いから両想いの研修プロセスへ-スタック構造で考える

 話の観点を少し変えますが、「研修を企画する」という仕事はとても難しい仕事だと思います。会社組織にとって必要であるというロジックと、参加者が参加する意味を感じて研修会場に足を運んでくれる内容にするというロジックを合わせる必要があるからです。参加者である社員は、組織の中でキャリアを積めば積むほど「大人」になりますから、例えば、管理職研修などでは参加者が勝手に研修の意味を理解して参加してくれるようになります。組織の期待に管理職として予定調和的に振る舞ってくれるようになっているからです。

 しかし、新人研修の参加者はそうではありません。

 人材開発部側で「ウチの新入社員にはこういう研修が必要だ!」と頑張って企画してみても、新人にとってみれば「なんでこの研修を受けなければならないのか?」「なぜこの順番なのか?」「一体何を期待されているのか?」という疑問で一杯になります。しかもそれを口に出して言うのは、研修期間も終わりに近づいたころです。多くの新人研修は人材開発部側の単なる片思いで終わっていないでしょうか?これを両想いにしていくためには、参加者の立場で【P】学習プロセスを見直していく必要があります。