「アカウントマネジメント・プロセス」の実行支援とは?

 では、営業担当者がアカウントマネジメント・プロセスを進めていく上での代表的なボトルネックにはどのようなものがあるか、見ていきましょう。

【ボトルネック1】 経営課題→自社ソリューションのシナリオ構築力

 アカウントマネジメント・プロセスの初期段階では、顧客の経営課題を分析して自社ソリューションが支援できる領域を探す、いわゆる「仮説立案」という作業をすることになっています。しかし、顧客のIR情報を読み込んでも非常に抽象的なレベルでしか課題が書かれていない場合が多々あります。例えば、「新商品の開発」「組織編成の再構築」などです。

 こうしたIR情報は営業担当者のために書かれているものではないので、ある意味で当たり前なのですが、ここから自社ソリューションの仮説を導くことは、特に経験の浅い若手営業担当者にとっては難しい作業です。また、顧客によってはIR情報が無い顧客もあります。この仮説立案がある程度現実味を持った内容でないと、実際の案件には結びつきません。とても重要な作業にも関わらず、様々な理由でこの段階で手が止まってしまう営業担当者が多いのも事実です。

 では営業人材開発としてはどんな支援策が考えられるのでしょうか。解決の切り口はいくつがあると思いますが、個人的には次の2つをお勧めします。

(1)顧客業界理解の研修
 これはいわゆる「インダストリー知識」を向上させる研修です。金融業界、製造業界、小売業界等の各業界のビジネスプロセスと、そこでのICTの使われ方を学びます。特定の顧客に関して扱う訳ではないので、すぐに仮説立案に結びつきません。しかし、そもそも「顧客のビジネスプロセス」がどうなっていて、そこで「ICTがどのように活用されているか」の知識が無ければ仮説立案などは無理ですので、要は、仮説立案の基盤となる知識になります。この類の研修はICT企業の研修子会社様などでよく実施されています。

(2)典型的な経営課題とICTソリューションの研修
 もうひとつは具体的な案件の在処(のヒント)を教えてしまう研修です。特定の業界や特定の顧客に限定せず、業界・顧客横断的な経営課題と自社ソリューションの関係性を知識として学習する内容になります。例えば、「事業継続性(BCP)と自社ソリューション」「グリーンITと自社ソリューション」といった内容になります。業界・顧客横断的な経営課題ですので、すぐに仮説立案に繋がる研修内容になります。この類の研修は外部研修会社でも実施していますが、できれば自社内のマーケティング部門や営業部門と人材開発部が一緒に作って社内展開するのがよいと思います。自社内の事例を探ってみれば必ず適当なものがあるはずです。