植田寿乃
キャリアコンサルタント/ダイバーシティコンサルタント

支店長A「独身、既婚の差はないとは思うんですが、やっぱり独身のほうが仕事に対して熱心さがあるように感じますよ。何でも頼めるし、無理もきく。バリバリやってくれているから、このまま仕事中心でやってほしいですね。結婚して育児休暇とかとったら、キャリアがもったいないなと思ってしまいます」
「その部下の女性はおいくつですか?」
A「32歳かな」
「その女性には、そのまま結婚せずに働いてほしいということですか?」
A「ええそうです。だって今の状態なら、彼女を女性として意識する必要がないんですよね。男性部下と同じだから」
「そうですか。彼女がそのまま働き続けたらどうなるのでしょうね?」

支店長B「ちょっとお話に入っていいですか?うちはそうやって働き続けて40歳に突入している独身女性、例のアラフォー女性たちがたくさん増えています。でも最近、彼女たちとどう接したらいいか困っています」
「近寄りがたいということですか?」
B「まさに、そうなんですよ。仕事においては本当によくやってくれていて頼りになるんですが、いつもイライラしているようで・・・。部下や周りへの要求が厳しくて困ります。本人は家に帰っても待っている人はいないから残業して外食やコンビニ弁当でもかまいませんが、家族がいる者にとってはね」
「彼女たちは仕事だけの人生のように見えるようですね?」
B「そうです、そうです。20代から30代前半の独身女性とはあきらかに違いますね。40歳前後ということなら結婚は諦めているのか、恋人はいるのかわかりませんが、仕事一色に見えます。彼女たちのプライベートは聖域というか、無いのではと思って心配します。でもそこには絶対立ち入れないし・・・。あのまま、彼女たちは働き続けたらどうなっていくのでしょう。孤独だろうし、仕事で何か挫折でもしたら結構もろく壊れてしまうかもしれないですよね」
「企業戦士ガンダム女が増えていて、それも輝いていなさそうですね。40代で結婚して働いている女性たちはどうですか?」
B「子供を2人産んで育児休暇をとったりして、昇格が少し遅れたりした女性がいるんですが、今はお子さんたちも大きくなって、最近ではとっても意欲的に仕事をしてくれています。やはり家庭を持っている安定感と、母親としての度量の深さみたいなものを感じますね。部下を任せても安心していられます」

A「どきっとしました。今のお話、自分の部下の未来を垣間見たような気がします。私のように、彼女に独身のままで男性と同じように働いてほしいとか男性扱いをしていると、彼女たちをガンダムにしてしまうのですね」
「そうかもしれません。お二人とも気づきがあったようですね」