個別最適から全体最適へのシフトに関しては、このコラムの第3回目でも扱いました。ソリューションをベースに考えた場合、特定のテクノロジーや特定のベンダー製品のトレーニングだけでなく、若いうちから各ICTテクノロジーの相互関係性を掴めるようなトレーニングが重要になってきます。

 これはクラウドによる標準サービスの共通利用が、個別にカスタマイズする従来型のシステム開発のサイクルに及ぼす変化をまとめた図になります。フォーラムでは「要件定義部分で如何にICTを活用するかを聞き出し、提案する力が一層必要になってくる。またそれは従来型の要件定義研修の内容とは異なってくるかもしれない」と解説していました。

ヒューマンスキル(人間系)の育成
-ファシリテーションは単なる利害調整機能を超えた3.0へ

次にヒューマンスキル(人間系)に関しては、組織開発やファシリテーションに強みを持つトゥビーイングズ(注2)の代表取締役である橋本洋二郎氏が解説。まず冒頭で橋本氏は、ICTの現場で起こっている出来事に触れ、次のように語りました。「膨大な技術やソリューションがネットワークで複雑に繋がっていたり、それに関わるステークホルダーが増大してきていたりしています。そういった環境をすべてマネージするためには、言ってみればスーパープロジェクトリーダーが必要になります。しかし現実的にそんなプロジェクトリーダーはどの企業にも存在しているわけではありません」。続けて、「こういったより複雑性の高い状況に対処するためには、その対処法として新たなやり方を実行していかなければなりません。特に、プロジェクトリーダーが1人で何とか頑張るモデルから、ステークホルダー間で成果を生み出すためのプロセスを促進するためのモデルへ転換していく必要があります。その為には、ファシリテーション3.0とも言うべき領域のスキルが重要になってくると思います」と次のスライドをもとに説明しました。

 この図は、縦軸がファシリテーションの位置づけ、横軸がファシリテーションの対象範囲を示しています。従来型のファシリテーション研修は1.0に相当する会議の進め方や、申し少し踏み込んだものでプロジェクトファシリテーション研修という2.0を扱ったものになります。橋本氏の主張は、ICTソリューション時代の複雑化したプロジェクトにおいては、マルチステークホルダーを対象範囲とする3.0の領域が必要であるということです。

*注2
株式会社トゥビーイングズ(URL http://www.tobeings.co.jp/ )は、組織開発・人材開発・新規事業支援領域を得意分野として、研修・ワークショップ・コンサルティングを提供している企業です。