安藤 良治
PSマネジメントコンサルティング 代表

 少し前の話になりますが、FIFAワールドカップ南アフリカ大会での日本の戦いはベスト16で終わりました。「もう1試合戦わせてやりたかった。それだけ、この代表は素晴らしいチームだった」--。岡田監督の帰国後記者会見の言葉が印象的でした。 多くの人が、日本の戦いに魅了されたのではないでしょうか。実力で一次リーグを突破するという結果を出せたことで、日本中を大いに沸かせてくれました。また、日本のチーム運営の素晴らしさが目立った大会でもありました。

 日本チームの良さは何処にあったのでしょうか?

チームの一体感が強さの秘訣

 岡田監督をはじめ選手全員が、出場した選手だけでなくベンチを含めた23人の一体感をあげています。日本チームは、チームキャプテンとして川口選手、ゲームキャプテンとして長谷部選手が指名され、ワールドカップに挑みました。特に川口選手の代表選出は、周囲以上に、本人も驚くことだったようです。おそらく出場する機会はないことを承知で、チームキャプテンとなった川口選手の存在が、このチームの結束をより高めたのだろうと推測します。

 代表選手に選出されながら、出場機会がないことは悔しいことだと思います。遠藤選手は4年前を振り返り、その悔しさを語っていました。しかし今回は、出場していない選手も「一緒に戦った」意識が強かったように思えます。出番を待つのではなく、戦況を見つめ、日本が勝つためには何が必要かを観察し、適時的確にアドバイスをピッチに送っていました。

「俊輔の指示は、私よりも的確だった」

 岡田監督にこう言わせるほど、中村選手は自分が出場している気持ちでピッチの皆に声をかけていたのでしょう。長谷部ゲームキャプテンも「川口さん、楢崎さんのアドバイスが、頼りない自分をサポートしてくれました」とベンチからの声がチームに力を与えていたことを明かしてくれました。