「今年のクラスは昨年と全く違いますね。とても、やり易かった。皆さんが自然体だし、笑顔も多かったし。休み時間に質問もたくさんあって、最後に直接感想を言いに来てくれる人が何人もいて、本当に嬉しくなりました」

 実はこれは、私がつい最近、ある企業の新任管理職を対象とした1日研修をやった直後の感想です。なんで、そう感じたのか?確かに受けている受講生たちが違います。しかし受講生のせいではありません。それは私のせいなのだということにすぐに気づきました。

男性主体の企業体質の管理職研修だから・・・

 この会社の仕事は昨年に続き2回目です。昨年もちょうど台風の頃に20名弱の人数でやりました。昨年、その会社から初めての研修の依頼を受けた時に、その会社の担当者の方は、「うちの会社は成果主義が浸透しており、バリバリの男性営業マン達が多く、ある意味オールドキャリア型の軍隊体質が続いています。だからこそ、人間力、モチベーションリーダーという部分もこれから大切だと思うので研修をお願いしたい」と言われました。

 1日半のカリキュラムを1日に短縮する要望や、研修中の携帯電話の禁止という私のリクエストにも逆に驚かれたりしたやりとりに、私のイメージは出来上がっていました。「よっぽど私が頑張らないと、受講生に響かないかもしれない。」私自身、終わった時に、どうにかやりきったというようなほっとした感覚があったことを覚えています。また、受講者のアンケートでも評判が良かったということで、胸をなで下ろしました。

 同じ会社で、今年は倍の人数ということで、私自身、昨年のシーンが蘇らなかったといえばウソになります。しかし、倍の人数なので、信頼するアシスタントと一緒にやれるということで気持ちは非常にリラックスしていました。しかも、彼らへの先入観よりも自分のクーラーで痛めた喉の調子のほうが気になって、何しろ声が出ない分だけ身振り手振りで必死にやっていたように思います。頭など使う間もなく、無我夢中という感じです。たぶん、そんな私の言動が彼らの心に響いたのでしょう。彼らもどんどん、本音になっていった。そして、頭ではなく心を使って、皆気づいていきました。

 私たちはともすれば、集団という塊でものを見ます。態度や言動をもとに分類し傾向を分析したりします。それが悪いとはいいません。しかし、それが先入観や変わらないものだとして固定概念のように自分の中に出来上がってしまうことに気をつけなくてはなりません。これは、まさに落とし穴です。男性、女性、年代、それぞれが他者に対して先入観という落とし穴にハマっている可能性があります。先入観を捨てられたなら、世界はあっという間に広がります。そしてコミュニケーションはとてもやり易くなる。私自身、絶えず自分の中にできてしまう先入観の落とし穴にハマってしまうことがあります。皆さんの先入観はどうでしょうか?

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植田 寿乃(うえだ・ひさの) キャリアコンサルタント/ダイバーシティコンサルタント
植田 寿乃

 IT業界の人材育成を目的に有限会社キューを設立。その後、人材開発業界に転身。「モチベーション・リーダーシップ」「経営陣、管理職の人間力アップ」「女性と組織の活性化」「メンター育成」に取り組み、各種オリジナルカリキュラムを開発し、研修・講演を実施。著書に『「女性を活かす」会社の法則』『キャリアセレブになる36の秘訣』『30歳からの幸せなキャリアの見つけ方』など。

※筆者の会社名および役職は執筆当時のものです。