竹村さんは、課長がうつ病についての理解が十分でないと感じたので、手元にある資料を用いて説明してみることにしました。

「うつ病は身体の症状を訴えることが多いみたいです」

 資料を見た大塚課長はけげんな顔で、

「私は内科の受診を勧めたが、それは間違っていたのか?」
「いえ、課長が内科の受診を勧めたのは正しいと思います。身体の病気でないことを確認してからでないとうつ病を考えないといけないと書いてありました」
「そうか。だるいから身体の病気だと思っていたよ。だるさもうつ病の症状なんだな」

 課長も初めて納得がいった様子です。

1週間たっても全然良くならない

 その頃、新井さんの自宅。新井さんは、やりきれないといった感じで妻に訴えます。

「こんなに動けるのに、医者の指導は休養。昨日薬を飲んだが全く変わりない。自分は本当にうつ病なのか?動いたほうがいいんじゃないのか。動かないと体力も落ちるし・・・」
「でも、先生は休まないと良くならないって言ってたし。もらった薬も2週目ぐらいから徐々に効いてくるって薬剤師の先生も言ってたじゃない。信じて薬を飲んで休みましょう」