妻の説得もあり、新井さんはしぶしぶ薬を服用し、ソファーで横になり目を閉じました

 1週間服薬しても症状に改善は無く、身体はだるく、夜も眠れないまま外来受診日を迎えます。症状が変わらないことを精神科医に訴えると、

「新井さん、あと少しで効果が出てくるので、もう少しの辛抱です。今日は薬を増やして様子をみましょう」
「良くなってもいないのに、どうして薬を増やすんですか?」
「抗うつ薬は少量から投与して、徐々に増やすのが基本です。もう少しで症状が改善しますから、今は薬を服用して休んでいてください」

 半信半疑で薬の服用を続けます。

10日目過ぎから症状が改善

 ところが、10日目を過ぎたあたりから少しずつ眠れるようになり、わずかですが気持も落ちついてきます。食欲も少しずつ出てきました。

 2週間後の外来。新井さんの症状を聞いた医師は、

「新井さん。経過は順調ですよ。今後はもっと楽になりますから今の治療を継続しましょう」

と、ほっとした様子です。

そばで話を聞いていた妻も、

「薬を飲んで休むのがこんなに大事だなんて思わなかったわ」
と安堵の表情を浮かべます。
「ただ、良くなってきているからといって、安心は禁物です。もう少しゆっくりとすごしてください」