うつ病は周囲の人に理解されにくいのが特徴で、「怠けている」、「ぼんやりしている」と解釈されることもあります。身体がだるそうに見えるのも特徴で内科、整形外科などを受診し「異常なし」との診断で、うつ病が見逃されてしまうこともあります。身体がだるい、食欲がないなど身体の症状がみられたとき、必ずうつ病を思い浮かべるようにしたいものです。

意外に難しいが重要な安静という治療

 治療は(1)抗うつ薬の服用、(2)精神療法、(3)安静が基本です。

 抗うつ薬は少量からはじめて、徐々に量を増やしていきます。効果に関してですが、解熱剤や抗生物質のようにすぐに効くわけではありません。服用後2週間は効果が出ないことが多いので、あせらずに待つことが必要です。

 精神療法は、患者さんの話に真剣に耳を傾け、話の内容に対して批判的にならずに聞くことで、患者さんと治療者の間に信頼関係が生じた上で効果が期待できるものです。これは医療者だけが行なうのではなく、周囲の方々も同じように行なってください。

 安静は意外と難しいものです。患者さんは頑張れば動けてしまいますし、周囲も「なんとなく動けそう」と感じてしまうので、つい「動いてみたら」と言ってしまいがちです。動かないことによる体力の低下も心配になるでしょう。しかし、病気治療の基本は安静です。うつ病も病気ですので、安静にしていなければ症状の改善が認められません。

 私の先輩である、山田和夫先生(東洋英和女学院大学教授、横浜クリニック院長)は「インフルエンザにかかって38度5分の熱があるときと同じと思ってください」と説明を加えています。病初期には休めば休むほど元気になり、動けば動くほど回復が遅れることも覚えておいてください。