入江:なるほど。ところで本論から少し外れますが、そういった会議体では、意見を集約するのに難しい面はありませんか?何か工夫はされていますか?

高橋:基本的に出席している皆さんは協力的ですが、会議を開催する際には必ず現場ヒアリングをして、仮説を人材開発グループで作成し、進行状況をシミュレーションするようにしています。ある程度人材開発グループとしての意見や案を持って会議に臨むことで、限られた時間の中でも一定の結論を導けるように工夫をしています。まったくのゼロベースで議論することも時には有意義かもしれませんが、こちらが怠りなく準備していることで、出席者から一方的に情報をもらうのではなく、こちら側からも新しい視点での提案ができることにもなり、双方にとって有意義な議論の場となっていると自負しています。

クラウドビジネスを推進に求められる5つの人材タイプ

入江:では現在のITサービスビジネスに関する戦略に連携した研修の具体例を教えて頂けますか?

高橋:ITサービスビジネスユニットでは、 「クラウド」と「グローバル」で事業成長を目指す戦略を推進しています。実現に向け育成をしているクラウドビジネスに必要な人材開発施策をお話しします。まずクラウド時代に期待される人材像としては「ICTのライフサイクル(企画、設計、構築、運用)でシステムを捉え、お客様視点でITが提供する価値を提案、貢献できる人材(信頼できるビジネスパートナー)」であると考えています。お客様の業容も広いこともあり、これは一人のエンジニアで完結できるものではありません。つまりビジネスプロセス全体を俯瞰して、どのプロセスでどんな役割を担うエンジニアが必要なのかを定義することが必要です。私たちの結論としては、企画、設計・構築、移行、運用というビジネスプロセスそれぞれに適応できる人材タイプが必要だと思っています。

入江:5つの人材タイプを具体的に教えて頂けますか?

高橋:まず企画段階においては、お客様のビジネスモデルをNECが推進する「クラウド指向サービスプラットフォームソリューション」のコンサルティングサービスとしてお客様対応できる手法をもった人材が必要です。具体的には、業務プロセス改革を実現するサービスを行う人材とそのサービスを具体的なICTのシステムデザインに落とし込める人材に分かれ、前者を「ビジネスモデルコンサルタント」、後者を「システムモデルコンサルタント」と定義しています。

入江:最近はBABOK(Business Analysis Body of Knowledge)に代表されるように、ビジネスの上流工程から担当できるエンジニアが業界全体で必要とされているようです。御社でも同様の認識ですか?

高橋:そうですね。冒頭で申し上げた通り、お客様の期待が「ICTをどのように活用して事業を展開していくか」にありますので、お客様のビジネスやそれを取り巻く市場環境を深く理解し、お客様とともに考え、提案ができる人材はこれからのクラウドサービス戦略を実行していく上で必要不可欠と考えていますね。