●比較しない
 辛い気持が続いている人に向かって、「子供を失った人もいるのだから、あなたはまだましなほう」などと比較をすることで励まそうとする場合があります。辛さ、苦しみは人それぞれで比較できるものではありません。比較されたことで、苦しみを誰にも話さなくなってしまうこともあります。

●優しく見守るほうが良い場合もある
 被害を受けた人の中には、様々な「介入」を受けるよりも、そっとしておいてほしい人もいます。辛い状況にあったとき、黙ってそばにいてくれたことが助かったという人もいます。被災者の方々が何を求めているのか察することも援助を提供する側に求められる能力の一つです。

●専門医の受診が必要になる場合もあります
 家族の一員、友人、または自分自身が被災を経験したことでストレスを受け、その結果としてうつ病、パニック障害、心的外傷後ストレス障害(PTSD)などの精神疾患を発症する場合があります。眠れない、食欲がない、電車に乗るのが怖い、狭いところへ行くのがいや、当時の光景が頭に焼きついて離れないなどの症状が2週間以上続けてみられ、日常生活に支障が生じている場合には、精神疾患を疑う必要があります。そのような場合には、専門家である精神科、心療内科などの受診を勧めることも必要でしょう。

ケアをする人のケア

 今回の震災は私たちの想像を超える規模で襲ってきました。その悲惨さは私たちが想像する範囲を超えているので、援助を行う側も今までの経験や対処法が使えない場合もあります。ケアを行う人が被災された方の苦悩を聞いている間に、眠れない、話の内容が繰り返し思いだされる、気分が滅入る、食欲がなくなる等の症状が出る方もいるかもしれません。ケアを行う人の約3割にこのような症状が出ると言われています。

 このような症状が出た場合には、ケアの現場から一歩引いたほうが良い場合があります。自らの心が辛いままケアを行うことは、ケアをする人、受ける人の両者にとって良いことではありません。いったん身を引いて落ち着いた段階で、ケアに再参加するか考えてみることが必要でしょう。