吉野明日香
株式会社エイチ・アール・ディー研究所 開発部 マネジャー

 初めて担当を任せてもらった新任課長研修は、無事に終わった。色々と社内の情報を収集して岡崎先生にお伝えできたので、一般的な研修よりも一歩踏み込んだ内容を実施することができたと思っている。後ろから研修を見ていたら、受講者の皆さんが研修に真剣に取り組んでくださっていて、準備の苦労が吹き飛ぶような気持ちになった。私自身はようやく「半人前くらい」になれたんじゃないかと思ってるんだけれど、私を指導してくれている永塚さんからしたら、まだまだって見えるんだろうな。

 さて、永塚さんがメイン、私がサブで担当しているニューリーダー研修は、月1回の合宿を5回行うという長期間のプロジェクト型の研修がある。受講者は他薦・自薦の応募者を選抜しているため、優秀なメンバーがそろっていた。そんな研修も今月で3回目。ちょうど折り返し地点だ。初回は自社分析や業界環境などの分析手法を学び、2回目はチーム分けとテーマの策定を行った。今回の3回目では討議を行うため、中間課題として情報収集のレポートが指示されている。

ニューリーダー研修の中間課題が集まらない

 私はサブ担当として、その中間課題の回収を受け持っている。回収状況はハッキリいって悪い。締切は昨日だったが、昨日の業務時間内に提出してくれたチームは、なんとゼロだった。前回の研修の終わりに、締切についてきちんと連絡していたし、締切の1週間前にはリマインドのメールを出した。それなのに!まさか、誰も提出してくれないなんて!

 午後になって慌てた私は「中間課題の締切は今日ですが、どうなっておりますでしょうか?」という内容のメールを受講者に送信した。

 次の日の朝、出社してみたら2チームから中間課題がメールで届いていた。問題は残る2チームである。メイン担当である永塚さんと、13時からこの中間課題に関して打ち合わせをすることになっている。それまでになんとか残りの2チームに提出してもらわないと・・・。私が永塚さんから怒られてしまう。

 永塚さんが席を外しているところを見計らって、私は未提出のチームのリーダーに電話をかけた。今になって「中間課題どうなっていますか」だの「お忙しいとは思いますが、今すぐ提出してください」だの、永塚さんの目の前で電話できるほど図太くはない。

 1つのチームは、まだ途中までしかできていないということだったが、現状のままで提出してもらった。もう1チームの方はリーダーが出張で捕まらず、他のメンバーはリーダーに任せているから知らないという。

 ニューリーダー研修の受講者は皆、「我が社の改革のために一肌脱ごう!」っていうやる気のある、優秀なメンバーだっていう話だったんじゃないの・・・。それなのに、なぜ課題の提出ごときで難航しているのか・・・。

 私は浮かない気持ちのまま、永塚さんとの打ち合わせに向かった。