2つめの枕詞ともいえるかもしれませんが、「コミュニケーションは誤解からのスタートです」があります。まさにこの相互理解こそが、共に過ごす数時間の中で「良好なコミュニケーション」の実体験を持って帰っていただける瞬間なのだと確信しています。

 先日、250名ほどの講演会の最後に「今日この時間」を振り返っていただいた時のことです。
「この時間の中でお話しさせていただいたことが、実際に皆様の職場で行われたら、どんな良いことがありますか。今の環境に何が加わりますか。前後のテーブルの方とグループになって話しあって下さい」

 すると、一番後ろの方も熱心に話し合いをして下さっていることがよく見えていましたのでとてもうれしく思いました。250名というと一番後ろの方のお顔がハッキリとは見えないのは残念でしたが・・・。私たちはみんな「良くなりたい」「良い環境で仕事をしたい」と願っているからだと思います。

日頃からの「意識合わせ」が大切

 話し合いの結果を幾つかのグループの方にお聞きしてみました。

聴講者A : 「相手のことをもっと知りたいと思う。自分からもっと話しかけようと思う」
聴講者B : 「心が通じ合うと言うか・・・(会場から笑いが起こり本人も照れ笑いしながら)相手のことを思いやろうと考えるようになります」
聴講者C : 「自分ひとりのことじゃなくて一緒に仕事をすることにやりがいが生まれます」

桐生 : 「会場から思わず笑い声が起こりましたね。おそらく話しておられるご本人も照れ臭かったことと思いますよ。もしかしたら普段はわざわざ口にしない言葉だからではありませんか。ところが、改めて話し合ってみたら皆さんが『思いやり』『心が通じ合う』『もっとわかり合いたい』と思っていた。そのことが大切なことだということを、実は日頃からこころの中では思っているということなのではないでしょうか。ありがとうございます」

 そうです、私たちはお互いへの尊重があるからこそ、良い人間関係、気持ちの良い職場環境が生まれることを知っています。そのために、自分たちが求める「思いやり」「協力する」とはどういうことを指すのかを日頃から「意識合わせ」をすることで、実はモヤモヤした不安や不満の幾つかをなくすことができるのかもしれません。

 健康な体を作るために日頃からの体力作りが必要なように、心身ともに健康な環境を作るためのコミュニケーションの体力作りが大切なのです。