佐藤 雄一郎
学校法人産業能率大学総合研究所 マーケティングセンター長

 データで見る!人材育成最前線では、人材育成に関するトレンドを、学校法人産業能率大学総合研究所でリリースしている調査データに基づいて解説していきます。特にOff-JTに関する話題を中心にお届けします。データを通じてOff-JTを中心とした人材育成に関する課題を提示しますので、企業における人材育成の取り組み・施策に活かして頂ければと思っています。

 今回からご紹介する調査報告は、「人材育成に関する実態調査(2011年度版)」です。本調査は、企業におけるOff-JTを中心に活用実態を調査しました。

 わが国の人材育成は、OJT(on-the-job training)を中心に行われてきました。日本のOJTは良いといわれてきたため、それが重視され、OJTを補完する形でOff-JTが行われてきたのです。ところが1990年代以降、日本的雇用慣行が変容する中でOJTがうまく回らなくなってきたといえます。雇用形態が変化して、非正規雇用(特に女性)など、そもそもOJTが十分に受けられない人が多数存在し、企業における人材育成のあり方も見直しを迫られています。そのため、Off-JTを通じてOJTを補完していくことは今後ますます必要になってきます。

 本調査では、企業がどのようにOff-JTを活用し、人材育成に取り組んでいるのかを把握することに主眼をおいています。人材マネジメント方針・施策をおさえつつ大きく5つの観点から取組み状況を整理しています。具体的には、(1)経営層/人事/職場の日常的な関わり、(2)Off-JT(集合研修や社外セミナーなど)の現場での活用、(3)OJTの取組み状況、(4)現場におけるメンバーの成長支援、(5)人事とラインの連携。また、そうした施策を通じた学習する風土醸成や組織全体の知識・スキルレベル向上への役立ち度合いも把握していきます。これからの連載で、これらについてワンポイントずつ解説していきます。人材育成に関する情報をコンパクトに紹介できればと思います。調査の概要は下記の通りです。

調査概要
調査期間:2011年1月31日~2月4日
調査方法:インターネットリサーチ
調査対象:企業等に勤める人事・人材開発担当者622人
属  性:性 別=男性488人(78.5%)、女性134人(21.5%)
       役 職=部長クラス160人(25.7%)、課長クラス169人(27.2%)、
       係長・主任クラス159人(25.6%)、一般クラス134人(21.5%)
       従業員規模=300人未満285人(45.8%)、
       300人以上1000人未満139人(22.3%)、
       1000人以上5000人未満105人(16.9%)、
       5000人以上93人(15.0%)
       業種区分=製造業128人(20.6%)、非製造業494人(79.4%)
       本社所在地=北海道・東北 35人(5.6%)、関東363人(58.4%)、
       中部70人(11.3%)、関西97人(15.6%)、中国・四国36人(5.8%)、
       九州・沖縄21人(3.4%)