船見真鈴
マイカ ヒューマンラボ 代表取締役

 私は大学卒業後、出版社に入り雑誌編集に携わるようになりました。憧れの職業に就き、希望に満ち溢れる毎日。ところが3カ月くらい経った頃、徐々に心身に変化が現れ始めました。

 振り返ると、原因は多忙かつ深夜残業があたりまえの毎日で生活は不規則になり、加えて上司に連日のように厳しく叱咤されるようになったことだと思われます。ときには私の人格に踏み込んだ発言もあり、気持ちが不安定になっていきました。なんでもないことで涙が出るようになり、帰り道にボロボロ泣きながら帰ったこともあります。

自分でもどうにもコントロールできない

 私はその不安定さを、食べることで打ち消そうとしていました。深夜帰宅した後に、お菓子やパンを手当たり次第に食べるようになり、少しずつ体重が増えていったのです。帰り際に立ち寄ったコンビニで、店主に「これ、明日の朝ごはんだよね?」と聞かれたこともありました。深夜に娘ぐらいの年の女性が大量に食べ物を買うのを見て、さすがに心配したのでしょう。そんな日々が続き、入社1年後には、体重は10キロ増えていました。

 結局、その後すぐ異動になり、体重は自然に減っていきました。環境が変わることで心のモヤモヤが消え、夜中に食べる必要がなくなったからです。

 この話、今では笑い話として語ることができますが、当時は自分でもどうにもコントロールができませんでした。太った程度で済んでよかったけれど、環境が変わらなければ心の病にかかっていたかもしれません。