佐藤 雄一郎
学校法人産業能率大学総合研究所 マーケティングセンター長

 今回から、「人材育成に関する実態調査(2011年度版)」をもとに、人材育成に関する具体的なテーマについてご紹介します。今回は、企業における人材マネジメントの方針・制度・しくみがどのようになっているのかを整理していきます。

 まず、人材マネジメントに関する方針・制度・しくみについて、(1)教育方針、(2)組織構造、(3)人事制度の3つの観点から見ていきます。企業における人材育成に関連するしくみが構築されているのかどうかを確認していきます。

Q:貴社の人材マネジメントに関する方針・制度・しくみについて
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 この設問は4段階評価(1「当てはまらない」、2「ややあてはまらない」、3「ややあてはまる」、4「あてはまる」)を用いています。データの見方として、1~4それぞれの回答割合を見るとともに、肯定的回答割合(3「ややあてはまる」と4「あてはまる」の合計)を見ていきます。加えて、便宜的に、1「当てはまらない」を1点、2「ややあてはまらない」を2点、3「ややあてはまる」を3点、4「あてはまる」を4点として、全回答を加重平均して、平均値を確認する方法もあります。値は1~4の間なので、中央値が2.5になります。2.5を上回れば肯定的、2.5を下回れば否定的な傾向であるといえます。

 全体結果として、以下のようにまとめられます。

各回答の比較
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 肯定的な回答は、「4.トップダウン型の意思決定(肯定的回答割合:68.3%、平均値:2.8)」、「5.階層的なピラミッド構造(肯定的回答割合:61.9%、平均値:2.7)」、「13.マネジャーとメンバーの定期的な面談の実施(肯定的回答割合:58.0%、平均値:2.6)」でした。

 一方、否定的な回答は、「2.3.長期・中期の“あるべき人材像”が共有されていない(各否定的回答割合:59.2%、53.5%、各平均値:2.3、2.4)」、「1.11.期間を定めて教育体系や配置・異動を行っていない(各否定的回答割合:52.5%、56.0%、各平均値:2.4、2.3)」でした。