船見真鈴
マイカ ヒューマンラボ 代表取締役

「あなたのストレスの原因は何ですか?」

 ストレスマネジメントの研修で、私はこの質問をよくします。ストレス社会と言われる現代、働く人たちを悩ますストレスは実にさまざま。実際、この質問にも、いろいろな答えが返ってきます。では、多くの人が直面しているストレスは何でしょうか?

 厚生労働省は5年に1度、職業上のストレスについての調査を行っています。それによれば、働く人のストレス原因の第1位は、職場の人間関係。不動の1位です。カウンセリングでも、寄せられるご相談内容のトップは人間関係に関することですから、この結果にはうなずけます。「上司とそりが合わない」「部下の指導方法がわからない」「同じ部署の人の言動が気になって仕方ない」など、人間関係で悩んでいる人がとても多いのが現状です。

 また、例えば仕事が思い通りに進められないというご相談であっても、よくよく聴けば上司とコミュニケーションが取れていないことが原因だとわかったというケースも珍しくありません。つまり、悩みを突き詰めていくと、人間関係の不具合に突き当たることが多いということ。人間関係は相手のあることで、自分ひとりで解決するのはなかなか難しいケースも多いですから、ストレスの原因になるのは当然です。

喜ばしい出来事もストレスになる

 仕事の質や仕事の量なども、多くの人のストレスの原因であると調査結果に出ていますが、厚労省がここで調査しているのは、あくまでも仕事上のストレス。しかし、私たちには仕事だけでなくプライベートの時間もあり、そこでもストレスは日々発生しています。

 以前カウンセリングをした20代の女性に、お酒の量が増えて仕方がないと悩んでいた方がいました。どのくらい飲んでいるのか聴くと、500mlの缶ビールを毎晩4本、つまり2リットル飲んでいるというのです。社団法人アルコール健康医学協会では、飲酒の適量を1~2単位と勧めています。ちなみに1単位とは、以下の通り。

ビール:中ビン1本(500ml)
日本酒:1合(180ml)
焼酎 :0.6合(110ml)
ワイン:1/4本(180ml)

 少ないと感じるかもしれませんが、これが適量だとのことです。さらに女性は男性に比べてアルコールの処理能力が小さかったり、アルコールの影響を受けやすいとされているため、これよりも少ない量が適量と言われています。これを基準に考えると、カウンセリングにいらした女性は明らかに飲みすぎです。何が彼女の酒量を増やしてしまったのか、原因を探っていきました。

 彼女の話では、職場の人間関係はうまくいっているし、仕事も楽しい、友達にも家族にも恵まれているとのこと。これといったストレスは見当たりません。時間をかけ、さらにつっこんで話を聴いていくと、ようやくストレスの原因がわかりました。彼女は、結婚して3カ月だったのです。