ストレスというと、イヤなこと、悪いことが原因になるというイメージがあります。しかしそれは半分誤解。ストレスというのは外部からの刺激のこと。日々の出来事のほか、気温や騒音などの環境要因も刺激になります。刺激は、人間にとっては変化でもあります。人間は、変化に弱い生き物。例え望んだ変化であっても、それになかなかついていけず、ストレスを感じてしまいます。ですから、イヤなこと同様、結婚、出産、昇進、引越しといった喜ばしい出来事もストレスになるのです。

 前出の彼女にとって結婚は嬉しいできごとでした。しかし、住む場所が変わり、パートナーとの新しい生活が始まるなど、さまざまな変化を経験しなければなりませんでした。そのストレスが、酒量を増やす原因になっていたのです。

 そのままその生活を続けたらからだを壊しかねませんので、直ちに酒量を減らさなければいけません。「お酒を飲む代わりにできることは?」と質問し、別の方法でストレスを緩和するようにしてもらいました。

プライベートのストレスには介入しにくいが・・・

 職場の人間関係や仕事量など、仕事上のストレスで疲弊している従業員がいる場合、ストレス要因がわかるだけに介入はしやすいと思います。しかしプライベートでストレスを抱えている従業員がいる場合、周囲は介入しにくいものです。「どこまで話を聞いていいのか」「口を出すと余計なお世話と思われるのではないか」「そもそも仕事とは関係ないから介入すべきではないのでは」・・・など、介入に躊躇(ちゅうちょ)することもあるでしょう。

 とはいえ、たとえ原因がプライベートであっても、仕事に支障が出ている場合は、安全配慮義務に則して負荷を軽減する措置を取らなくてはいけません。もちろん、プライベートの悩みの相談にのるのは業務の範囲外のことですから、カウンセラーなど専門家につなげるようにしてください。あくまでも本人が健康に安全に仕事を続けられるよう、負荷を調整するのが周囲の役割です。業務上のストレスを感じていないか、どの程度負担を感じているのか、無理なくできる仕事は何かなど、本人によく話を聴いて、仕事の調整を図ってください。