それから、本当に忙しくなった。まずは稟議書を提出し、倉持部長から許可をいただいたので、レベルアップ総研の最上さんに連絡しようと電話を手にした。

 そこで、ふと、6月にメンタルヘルス研修をお願いした岡崎先生のことを思い出した。あのときは、永塚さんに「どう言ったら喜んで引き受けてもらえるか」も伝えるようにと言われたが、いい感じの言い回しが思いつかなくて、結局永塚さんに助けてもらった。お願いの仕方次第でモチベーションが変わってしまうというのは、自分自身でも体験済みだ。

まずは第一関門突破

 今回は、自分でちゃんと選んだからこそ、伝えるべきことがある。私は簡単にメモを作ってから最上さんに電話をかけ、マーケティング研修の実施をお願いすることにした。

「他にもベンダーさんのお話を伺ったのですが、最上さんが一番こちらの要望をきちんと受け止めてくださいました。ご提案内容も、目標を達成するためのポイントを押さえてあると思います。核となるマーケティング知識のレベル感も程よい感じです。さすがマーケティング研修だけでなく、セールスの研修も得意とされていらっしゃるというのが、伝わってきました。ぜひ、このマーケティング研修を成功させてください。必要な情報についてはご提供しますので、宜しくお願いします」
「ありがとうございます。そこまで言っていただけて光栄です。それでは、さっそくですが、御社のチャネル戦略についてインタビューさせていただきたいのですが。それと元谷さんとお打ち合わせさせていただいて、研修の案内も考えましょう」
「はい」

 レベルアップ総研さんに研修をお願いしてから、機密保持契約を結んだり、インタビューをしたり、慣れない仕事をたくさんやった。

 チャネル戦略についてのインタビューは、倉持部長から後藤営業部長に依頼をしていただいた。インタビューの当日は、最上さんだけでなく私も同席させてもらった。後藤営業部長の話をこんな風に聞くのは初めてだったが、研修に使えそうなことを色々と聞くことができた。そのほかにも、営業企画と新商品の販売促進ツールについて打合せをした。

 受講者の人選が終わり、営業会議で部課長クラスに研修概要が伝達され、研修後も課題や目標達成のためのサポートについてお願いした。毎日、毎日、研修の準備に追われ、社内の色々な人の間を走り回った。そして9月30日、なんとか無事に研修実施にこぎつけたのであった。

 研修直後には、研修中に作成した分析と提案を提出させるだけでなく、アンケートでリアクションとラーニングについて測定した。フリーアンサーでは「大変である」というような意見も出たが、理解度などの成果は上々であった。基本的には、実践的な内容に感化されて、どんどん使っていきたいというような前向きなものが多かった。

 まずは第一関門突破というところか。

 次は2カ月おきにやってくる中間課題でビヘイビアの成果を追いかけること。それと一緒に、リザルトの成果も生まれますように。