WIN-WINの交渉に大切な3つの原理原則

 では、交渉を駆け引きの勝負ではなく、お互いによりよい結果、いわゆるWIN-WINにするにはどうすればよいのか?

 そのときに大切なのが、「発想の転換」「先手を打つ」「一貫性」。この3つの原理原則をまずはしっかり自分のクセとなるようにたたき込むことである。

 「発想の転換」とは、WIN-WINへの思考の転換である。具体的に言うなら、駆け引きになりそうな時ほど、「両者にとってお互いを満足させるやり方や進め方はないか?」と自問自答するクセである。実際の交渉は、詳細や具体的な話になればなるほど駆け引き的にならざるを得ない。そのときに、自分自身に発想を促すクセづけが大切なのである。

 「先手を打つ」とは、こちらから先にコミュニケーションを仕掛けるという意味である。相手の真意を探るために質問する、こちらから提案をする、相手の意見を傾聴する、相手の突っ込みどころに対して返答を準備する ―― 。こうしたことすべてを先に相手に仕掛けていくというクセが、交渉の流れを自然とリードすることになる。結果として、WIN-WINへの道を切り開くのである。

 そして「一貫性」とはその言葉の通り、相手の出方ややり方にかかわらず一貫した態度を貫くことである。交渉は複数回かつ期間を要することも多い。そして、交渉でのあなたの言動が積み重なって相手へのメッセージとなるのである。もし、相手の出方に応じて、交渉に臨む度にこちら側の態度や姿勢が違ったら、相手はどう思うだろうか。あるいは、逆に相手の出方が毎回違ったら…。少なくとも信頼の形成にはつながらないではないだろうか?

 この3つの原理原則は、武道で言えば武道の精神そのものである。この原理原則を自分が自然としてしまうクセになるところまで行けば、自ずとWIN-WINの交渉ができてくる。