うちのネットショップ…。一体どんなお店になるんだろう。そうだなぁ…。うちの商品ばっかり売ってるとしたら、どんな感じだったら素敵だろう。私は自分がネットショップで買い物をするときのことを考えた。商品はたくさんの中から選ぶのが楽しいし、口コミの評価なんかも読んでから買うことが多い。あと、商品と一緒に買われているもののお勧めや類似の商品が表示されていると、ついそっちもチェックしてしまう。

 例えば…、携帯用のステンレスボトルに有名デザイナーの絵が入ってるやつが限定商品であったら格好いいかも。あと好きな色が選べるバリエーションがあったら、友達と色違いで買ったりして、きっと楽しいに違いない。特に女子高生くらいの年代は、おそろいとか大好きだよね。シールなんかで簡単にデコれるキットなんかが付いていてもいい。後は、使ってるときのイメージがわく写真は絶対に必要! 芸能人を使った広告で、「愛用してます」みたいな紹介はインパクトがある。

 そんな想像を膨らませながら、私は付箋を書き始めた。

・商品を企画するときに、女子高生をターゲットできる
・商品を企画するときに、オシャレなコンセプトを考えられる

商品ではなく企画・開発の行動を考える

 うーん、なかなか書くのが難しくて、手が止まってしまう。ふと、隣に座っていた永塚さんが私の手元を覗き込んできた。

「それ…、ちょっと違う」
「え?」
「どういう商品を考えられるかじゃなくて、そういう商品を企画・開発していくためにはどういう行動が必要かっていう話だから」

 永塚さんが小声で説明してくれた。他の人たちは黙って作業していて静かだから、その声は妙に響く。こっちを見ている倉持部長と目が合ってしまった。さらに永塚さんは、書いた付箋が見えるようにしてくれた。

・複数の媒体で広告を出すときに、媒体の特徴を活かした要件定義ができる

 そうか…。この場合は、どんな広告かという中身の話ではなくて、どんなときに広告がいるとか、広告を出すときに必要な行動に主眼があるってことだ。私は無言でうなずいて、永塚さんにアイコンタクトで了解と伝えた。

 じゃあ、さっきまで私が考えていた路線でいくと、仮にターゲットを女子高生において…、新商品を企画するときに必要なことは…。まずはリサーチをすることになるから…。

・リサーチを行うときに、女子高生に自由に話をさせる場を作ることができる
・リサーチを行った後で、女子高生の意見を整理・分析できる
・リサーチを行うときに、女子高生を集めることができる

 こんな感じでどうかな? これなら女子高生というのが、もし20代OLとか独身男性とかに代わっても、必要な行動としては十分成立するし。