今回のポイント

 戦略的な新規部門の設立--。「老舗」と呼べるような企業においては、なかなかその現場に立ち会うチャンスは少ないものです。今回、倉持部長の「教育的配慮」によって、元谷さんもその一翼を担うことになったようです。仕事としては、これまでに収集した情報から人材像を定義していくといった内容です。これは人材開発部として求められる4つの領域の一つ、「人材開発アーキテクチャー」の領域における、ビジネス戦略・人材開発戦略との結び付けの仕事に当たります。

【人材アーキテクチャーの領域】
 経営層、現場や関連部門とコミュニケーションを取りながら、企業のビジネス戦略をブレイクダウンした人材開発の計画立案をしていく領域(※この領域は、ビジネス戦略・人材開発戦略との結び付け、経営層・現場や関連部門とのコミュニケーション、情報収集に分かれています)

 人材開発部の一つの大きなミッションは「戦略を遂行できる人材を育成すること」にあります。そのためにはまず、会社の戦略を(ミーティングなどの場で)明快に説明できる必要があります。さらに、それから組織に必要な人材像を描き出すことができなくてはなりません。

 直販という新たな戦略について、その背景から狙っている目標まで、改めてメンバー全員で共有をできるよう、ミーティングの場でも新部門の責任者となる青木部長からの説明がセットされていました。【自社のビジネス環境とビジネス戦略を結びつける】

 さらに人材像を描き出すために、業務プロセスに分割されたものをもう一段ブレイクダウンし、「〇〇の時に〇〇できる」という形で列挙する、という進め方をしていました。この領域は、コンサルタントなどから「コンピテンシーディクショナリー」を提供してもらい、それに手を加えていく、というやり方をとる選択肢もあります。今回、倉持部長はブレーンストーミングを起点にし、自ら考え、定義することを選んだようです。【ビジネス戦略から求められる人材像をブレイクダウンする】

 また、ここで取り上げられていたのは、「商品・広告企画」に関連するものだけでした。しかし、細かく見ていくことで、論理思考力、プロジェクトマネジメントなど、部門の誰もが必要で、優先順位の高そうなものが見えてきたようです。【予算その他の制約条件を考慮した優先順位を付ける】

 人材開発部に配属されて、様々なことを学んできた元谷さん。来月からまた新しいプロジェクトに挑戦です。これまでの経験を踏まえ、研修のプロジェクトの計画から、リソース確保、そして実施という一連のプロセスを数カ月に渡って回していくことになります。倉持部長、永塚さんの「教育」の成果は如何に? お楽しみに!