今回のポイント

 サスティナブル改革プランの活動の進行にあわせて、様々な仕事を経験してきた元谷さん。まだまだ新人、という気分でいたら、今度は自分が新人研修を企画・実施する側に…。もうすぐ、あっと言う間の1年、ということになりますね。

 今月は、まず、新人研修の目的・目標を確認した上で、どのように1カ月弱の新人研修期間の内容を組み立てていくかが焦点でした。これは、人材開発部として求められる4つの領域の一つ、「プロジェクトマネジメント」の領域における、プロジェクトデザイン(計画)の仕事に当たります。

【人材アーキテクチャーの領域】
 人材開発の各プロジェクトにおいて、目標設定、実行管理、レビューを適切に行ない、目的に沿った人材開発をマネジメントしていく領域(※この領域は、プロジェクト目標の合意・共有、プロジェクトデザイン(計画)、進捗管理・変更管理・知見の共有に分かれています)

 近年、自動車教習所の学科のような「どのような順番でもよいので、単発の学科の講義を一通り受講すればカリキュラムを修了したことにする」タイプの研修は少なくなり、座学や実習、OJT、あるいはそれらのレビューなどを、目標達成に向けた効果的な組み合わせで実施する人材開発プロジェクトが増えてきました。これは、人材開発に必要な費用を投資として考え、そのリターンを確実に実務での成果に結びつけようとする意識の高まりの結果といえるでしょう。

 もちろん、新人研修も例外ではありません。配属というひとつのゴールに向けて、その時点で何を知識として得ていればよいのか、スキルとして「できる」ことが求められるのは何か、どんなモチベーションや意識を持っているのが望ましいのかが、明確にリストアップできていなくては、その内容を決めていくことはできません。また、さらにプロジェクトの進行に沿って、受講者である新人は会社での様々な物事への理解や認識が深まっていきますから、その学びの状態の時系列的な変化も考慮に入れる必要があるでしょう。これについては、前年度の新人研修、つまり元谷さんが受講生の立場で参加したもののファイルがすでにありましたから、それを整理することで、永塚さんのデザインを参考にすることができました。【目標を分割する】

 さて、要素に分割できても、例えば、知識習得にふさわしい手段と、自分で考えて「できる」ようにするためにふさわしい手段は異なりますから、人材開発のプロジェクトは複数の異なる手段が組み合わさって構成されるのが当然といえるでしょう。その点、鶴亀魔法瓶の新人研修は座学だけでなく、チーム演習や、工場での体験実習、また、毎日の日報でのレビューも学びの手段として組み入れられていました。【様々な手法を知り、組み合わせる】

 さらに、学びの要素と、そのための様々な手段を準備できても、それが有機的に組み合わされ、順序立てられていないと効果は半減してしまいます。例えば、元谷さんが気づいたように、もし、鶴亀魔法瓶のバリューチェーンの知識が乏しいまま工場での実習になってしまったら、体験や実習というのは非常に印象の強いものであるため、単なる「大変だった記憶」だけが残る結果になってしまったかもしれません。【プロセスとして構成する】

 4月から始まる研修に向けて、元谷さんの1年間の成長の集大成ともいえるプロジェクトがスタートしました。元谷さん自身も「経験不足なのは、社内のリソースをどうマネジメントするかと、日々の進捗管理だ」と自覚しているようです。来月はデザインされた研修を実際に実施・運営していく社内の協力メンバーのリソースマネジメントです。会社の歴史を知る重鎮から、多忙な現場のメンバーまで、「為せば成る」で一筋縄に上手くいくでしょうか? お楽しみに!