監修:倉重英樹
株式会社シグマクシス 代表取締役会長
ビジネスプロセス革新協議会(BPIA) 会長

 日本企業が生き残るためには、グローバル化する市場に向き合い、多様化する顧客の課題に応えていかなければならない。しかし、これまでの働き方や組織の仕組みのままでは本質的な対応が難しい。

 企業に求められるのは、

  • 社員の多様な知識や経験を機動的に組み合わせることのできる組織の柔軟性
  • 個人とチームをダイナミックに評価する仕組み

である。また働く人にとっては、

  • モチベーション高く仕事に取り組め、働きがいがあり、ワーク・ライフ・バランスを通じて自己実現できる仕組み

である。

 「活き活きした会社の作り方研究会」は、そのような新たな組織マネジメントを追求しているシグマクシスを研究する。シグマクシスはBPIAの会長の倉重英樹氏が代表取締役会長を務めているビジネス・コンサルティング・サービスを提供する会社だ。

「この会では倉重氏が自身の経営哲学、経営理論をどうシグマクシスで実践してきたかを検証していくことで、これからの新しい時代における会社をどういう形にしていくべきかについて研究していきたい」

 ナビゲーターの小田毘古氏はこのように同会の目的を話す。第1回目となる今回は、シグマクシスという会社の概要について倉重氏が講演した内容をお届けする。

経営者の役割は社員の幸せを追求すること

 シグマクシスのビジョンは「“Xpartner(クロスパートナー) for Your Z”~究極の価値と喜びを創造する」である。「クロスパートナー」とはお客様とシグマクシスの関係性のことだが、こう呼ぶのには理由がある。X軸をシェアリング(お客様とリスクや価値、喜びなどをシェアする)の度合い、Y軸を顧客緊密度(お客様のことをどれだけ知っているか)とする座標をおく。従来の会計士やコンサルタントの世界のような、顧客緊密度は高いがシェアリング度がない関係性では、お客様のことを「クライアント」と呼ぶことが多い。それに対しクロスパートナーは、そのクライアントを右にスライドしたところ、つまりシェアリング度が高い座標点に位置づけられる。ここには、“お客様とサービス提供者”という対立概念がない。お客様を良く知り、成果もリスクも共有し、緊密なコラボレーションをしていくパートナーでありたい、という想いが込められているのだ。そして、「パートナー」という言葉をシグマクシスらしく改めて表現するために、自らを「クロスパートナー」と呼んでいる。

 究極なる価値と喜びを創造するためには、次のことを実現する必要がある。社員に仕事の楽しさ、お客さまに感動、株主に満足、そして地球にやさしさを届けること。近年、世間では会社は株主のものだという論理が主流だが、株主を満足させるためには、売上をいただくお客様を感動させ、幸せにしなければならない。そしてお客さまを幸せにするには、当社の社員も幸せでなければできない。つまりトップマネジメントとしての私の仕事は、目の前の社員の幸せを追求することにほかならない。