そのために当社が構築した仕組みをこれから紹介するが、その前に究極なる価値と喜びを創造する3つのキーワード「モチベーション」「イノベーション」「スピード」について解説したい。

 まずは第一のキーワード「モチベーション」。モチベーションには以下のように2つの意味がある。

  1. やる気:進んで物事を成し遂げようとする気持ち
  2. 動機付け:生活体に行動を起こさせ、目標に向かわせる心理的な過程をいう

 アル・ゴア元・米副大統領の主席スピーチライターを務めていたダニエル・ピンク氏は自著「Drive:The Surprising Truth About What Motivates Us」で、モチベーションには3つの段階があると書いている。

モチベーション1.0:生物的動機。「食べるため」という動機で働く
モチベーション2.0:与えられた(所与)動機。「目標達成による金銭や名誉を獲得するため」という動機で働く
モチベーション3.0:自発的動機。人間として成長したり、知的興奮が得られたり、社会貢献などを動機としてワクワクした気持ちで働く

 ではどうすればワクワクした気持ちで働けるのか。その答えは「やるべきこと」「やりたいこと」「できること」の3つの要素をできるだけ重なり合わせることなのだ。「やりたいこと」を「やるべきこと」に重ねるには、リーダーシップを発揮し「やりたいこと」を企画書にまとめて提出し、承認してもらえばよい。しかし「できること」を「やるべきこと」するのは一人ではなかなか難しい。「できること」、つまり自身でできるように能力を開発するのには時間がかかるからだ。時間をかけずに「できること」を「やるべきこと」に重ねる方法の一つは、他の人の能力や知見を使ってコラボレーションして仕事を進めることだろう。

 こうしてみると、モチベーションを高める仕事のやり方とはプロジェクトワークそのもの。つまり高いモチベーションを確保するには、プロジェクトワークがかなり重要な位置を占める。

ホワイトカラーにイノベーションがない

 第2のキーワード「イノベーション」は技術革新と訳されることが多い。しかし、これは狭義での訳で、本来は新商品の開発、新生産方式の導入、新市場の開拓、新原料・資源の開発、新組織の形成などによって、経済発展や経済循環がもたらされる概念を指す。よく日本は「技術で勝ってビジネスで負けた」といわれるように、ホワイトカラーはイノベーションから遠ざかっている。ホワイトカラーのイノベーションに必要になるのが、デジタルITの使いこなしとダイバーシティマネジメントである。特に重要なのが、後者のダイバーシティマネジメント。今は70年代、80年代のように効率を求める世界ではなく、創造性を求める世界になっているからだ。ダイバーシティマネジメントを進めるステップは次の通りである。

Step1:明確なビジョンを設定
Step2:画一性からの解放
Step3:コラボレーション環境整備
Step4:ダイバーシティレベル向上

 ダイバーシティマネジメントにも、先に紹介したモチベーションのようにレベルがあると考えている。従来の企業をダイバーシティ1.0とすると、ダイバーシティ2.0とは明確なビジョンが設定され、ダイバーシティマネジメント環境が構築された状態を指す。つまり異質が尊重され、コラボレーションする環境、プロフェッショナル人事制度、ナレッジマネジメントの仕組みが整備された状態である。そしてダイバーシティ3.0とは、女性管理職の割合25%以上、外国人管理職の割合10%以上の状態を指す。私たちシグマクシスは今、ダイバーシティ2.0の状態で、3.0はチャレンジ目標である。