会社変革を支えるプロフェッショナル人事制度

 「コンサルタント会社だからこういった制度が成り立つのではないか」と思っている人もいるかもしれない。しかし日本テレコム(現在のソフトバンクテレコム)でも2004年にこの制度を導入した。会社の生き残りをかけ、中継系の通信事業会社からICTのソリューション会社に変革するために、会社全体を変革する中で、プロフェッショナル人事制度への抜本的な見直しを行った。

 また、私たちがご支援したある素材メーカーA社でも、プロフェッショナル人事制度の導入に踏み切った。従来型の製造業から顧客や取引先とのコラボレーションによる新しい価値創造へとビジネスモデルの変換を目指す同社では、今後の事業推進に必要な能力を定義し、人財を可視化した上で、能力開発体系を整備し、事業推進に必要な人財育成を継続的に実施できる環境を構築した。その結果、社員自身が自発的に研修を受講するようになると同時に、上司も育成の観点から部下に仕事を与えるよう心掛けるになるなど、社内に意識変革をもたらし始めている。

 このように人財(能力)可視化により、人財マネジメント上の課題が浮き彫りとなり、その課題解決のための人財マネジメント施策を立案、実行することで、その実効性を高めることにつながるのだ。人財の可視化ができなければ、人材育成、採用、タレントマネジメント、配置・移動、評価・処遇などが個別最適になってしまう。

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 価値創造力の最大化をするためには、人事制度の見直しだけでは足りない。組織(プロジェクト型ワーク)、ワークスタイル(「いつでも」「どこでも」「誰とでも」価値創造が可能な環境)、ナレッジマネジメント(ナレッジの集積と活用)の各施策を有機的に結び付け、統合的に推進していくこと。このことは極めて重要と思う。

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