社員の市場価値を高めるためのプロフェッショナル人事制度

 林氏の講演後、次のような質疑応答がなされた。

Q:社員が自ら能力開発計画を作成し、レベルアップを図っていく仕組みとなっているが、中には「自分は今のままでいい」という人もいると思う。そういう人たちがいることへの危惧はないのか。

林氏:当社にはそういう人財はいないと思うし、成長志向のない人は自然に淘汰されると考えている。一般の企業において、確かに自分自身の成長に対してモチベーションを持たない人がいるかもしれないが、必ずしも社員全員が高い成長指向を持っていなくとも、一定レベルの能力発揮により、会社に貢献し、それに見合う処遇となっていれば、それはそれでいいのではないか。

Q:日本テレコムで導入するときに抵抗勢力はなかったのか、。

林氏:当初、労働組合の反対も強かったが、この制度は、プロとしての価値を身につけ、自身の成長を支援する仕組みであり、社員の市場価値を高める社員のためになる仕組みであることを組合とも粘り強く話し合い理解を得た。

Q:シグマクシスで定義しているマーケティング能力は5種類ある。これら5つの能力とレベルの関係について。レベル5と認定されるためには、これらすべての能力で5を認定されなければならないのか。

林氏:すべての能力で認定される必要はない。基本的には、どれか一つの能力レベルを高めていくことで、プロとしての価値を高めていくという考え方である。

Q:能力の掘り起こしはどのようにするのか。この仕組みだと能力が定義されたモノに沿って能力を評価し、育成するためのものにしか見えない。この仕組みで創造性はどこで掘り起こされ、評価されるのか、よくわからない。

林氏:能力定義の基準では、高いレベルになると、例えば「先進的なテクノロジなを適用し新しいモノを生み出す」というような実証を求める定義となっている。創造性の中身は、その時々により変化していくものなので、具体的に定義はしていないが、創造性やイノベーションを生み出すことを実証していかないと上位のレベルに認定されない。