「空・雨・傘」:根拠三分割の方法

 「空・雨・傘」とは、「空を見て、雨が降りそうだから、傘を持って行こう」、というように、根拠を3分割して説明し、意思決定に至った説明をロジカルに行う手法です。

 きわめて簡単なように思われるかもしれませんが、この「空・雨・傘」は、企業の意思決定を支援するフレームワークとして非常に強力なものです。

 まずこの人物は、「今日は外に出かけたい」という方向性を持っています。そこでこの人物は空を見上げ、観察します。温度、湿度、雲行き、風の強さ、空の色…。これらは今日の天気を決定する大きな要因となるからです。そしてこの人物は予測を立てるのです。「今日は雨が降りそうだ」。これはあくまで予測で、あたるかもしれないしあたらないかもしれません。しかしこの人物はそう思い、そして「傘を持っていこう」ということを決めます。

 ここで、「なぜ傘なのか?」というのが大事な点です。雨が降るとしても、他にオプションは色々あるはずです。電車ではなくタクシーにしようとか、レインコートを着ていこうとか。あるいは今日は出かけないようにしようという選択もあるかもしれません。しかしこの人物は、これらの選択肢がある中で、傘を持っていくことを決めるわけです。

 「今日は外に出かけたい」というのは、「市場トップの座につきたい」というような企業が目指すベクトルです。それを実現するためには、「外部環境はどうなのか?」を分析します。これが「空を見る」の部分です。「雨が降りそうだ」というのは、外部環境分析の結果、導き出したマクロ環境や顧客、競合の動向などに関する「仮説」です。その上で、取るべきアクションを決めるのです。それが「傘を持っていく」です。

 繰り返しになりますが、「なぜ傘なのか?」が大事な部分です。もし傘しか持っていないのならば、企業の場合、アクション決定の際にリソース制約という課題が存在しているということになるでしょう。「タクシーではなくて電車に乗りたいのだ」が理由であれば、それはターゲットの問題。そして「レインコートはスタイルに合わないから着ない」となれば、それはポジショニングの問題です。