また、最近は、「仕事にやりがいをもつこと」が重要視される傾向があるので、そこにこだわるあまりミスマッチ感を感じる人も増えているように思います。やりがいを感じられない今の仕事は自分には合っていないのではないか。やりがいを感じられない自分はダメなのではないか。そんなふうに、形も答えもない「やりがい」を求めて迷路に入り込んでしまい、心身の調子を崩してしまう人もいるのです。

 部下や同僚の中に、そんなふうに悩んでいる人がいたら、まずはじっくり話を聴いてあげてください。そして、頭ごなしに「そんなことは誰でも経験するものだ」とか「やりがいなんて結果を出してから言え」などと一刀両断しないようにしてください。

意欲を取り戻すのはサポーターが周囲にいる安心感

 キャリアや仕事というものには、継続しなければ見えないものがたくさんあるのも事実です。キャリアを積んだ人間は、さまざまなことを経験してきたからこそ、それがわかります。しかしながら今は、経験せずとも情報が多数入ってくる時代。頭でっかちになってしまっている若者たちは、アンバランスな状態にあるがゆえに悩み苦しんでいるのです。  

 ですからまずは、話をじっくり聴いて、何をどう悩んでいるのかを理解してあげましょう。そして、どうしたら仕事への意欲が戻るかを一緒に考えてあげてください。もちろん、身体的、精神的な症状が続いているようでしたら、専門家のところに行くように勧めてください。

 仕事は、何をするかよりも誰とするかのほうが大切だと、よく言われます。悩める彼らが意欲を取り戻すのは、心強いサポーターが周囲にいるという安心感を得られたときかもしれません。実際に、悩んだときに上司に気持ちを理解してもらったから仕事を続けようと思ったと話してくれる人もいらっしゃいます。

 入社してしばらくすると、多くの人が自分のキャリアについて悩むものです。これは、今も昔も変わっていないでしょう。会社を辞めようかと思ったことがあるという人も少なくないかもしれません。そんなときに自分を思いとどまらせてくれたものはなんだったのか。そこを思い出してみると、若手のキャリア形成のサポートを上手にしてあげられるのではないでしょうか。結果として、それが彼らのメンタルヘルス向上につながるのです。