「経営の可視化」成功の秘訣とその効果

 経営の可視化の成功の秘訣とは、第一にシステムが工夫されていること。例えば精度を上げるため、当社ではいつでもどこでも入力できるよう、モバイルの仕組みを構築している。第二はプロセスが工夫されていること。例えば「受注済み」というステータスは営業ではなく法務が入力するようにしている。これも精度を高めるための工夫である。第三は登録者のモチベーションが保たれるよう考えられていること。「売上予測でプロジェクトをコミットしたリーダーには優秀な人がアサインされる」など、入力するとメリットがある運用ルールとなっている。第四はトップマネジメントが徹底的にビューアーを活用すること。第五は主観、恣意性が排除される仕組みを作ること。そして第六はコミットメントである。

 可視化することでどのような効果が得られるか。まずはビジネス・マネジメント力が高まった。データに基づいた課題抽出とアクション指示が可能になり、週1回1時間の営業会議では、この案件に対していつ誰がどのようなアクションを起こすか、ということを主に話し合うようになった。また90days forecastが誤差プラスマイナス1%以内になった。当社では四半期の初日に当該四半期の売上予測をする。現在8四半期連続でその予測の精度の誤差がプラスマイナス0.1%に収まっている。これは誇ってもいい数字ではないかと考える。

 第二にプロジェクト・マネジメント力の向上。トラブルが生じてもアラートなどで早めにその芽を摘むことができた結果、満足度調査で91点(100点満点)を獲得した。またリアライゼーションも実績が計画を5ポイント上回る結果となった。

 第三に専任計数管理や営業事務スタッフは必要なくなったこと。間接スタッフが不要なので、会社の利益にも貢献できた。

活発な質疑応答も

 講演が終わると会場から、さまざまな質問が郡氏に投げかけられた。「プロジェクトが失敗しそうだ、などといったリスクの予兆をシステムで判断できるのか」と言う問いに対しては、「リスクはプロジェクトリーダーが自己申告するのが前提だが、事故が起こってからでは遅いので、それを回避する仕組みを用意している」と回答。そのひとつが、受注に対して売上を比例して計上していく工事進行基準ではなく、その月に完了するタスクが終わったかどうか、お客さまにサインオフをしてもらう進捗基準を採用していることをあげた。つまり顧客にタスクが終わっていない、と言われれば、そのタスクは終了とはならないのだ。もうひとつが規模の大きな案件に関しては、ステアリングコミッティの議事録を必ずシステムにポストする仕組みになっていること。その討議内容は必ず、経営会議でレビューされるという。

 次回のテーマは「ナレッジマネジメント」。シグマクシスでは社員が活き活きと働くためにどんなナレッジマネジメントの仕組みを用意しているのか、明らかにする。