組織は生態系、閉塞的な組織作りはしない

 当社の使命を全うするには、組織のあり方も重要になる。企業の組織は生態系である。社員は自由に手や足を伸ばしたりしたいと思っている。これがなぜ阻止されるかというと、経営者が閉塞的な組織を作っているからである。だから一人ひとりが特色を出した動きをしようとしても制限されるのだ。

 そこで2001年より見える化のための手段としてのサイバーマニュアルをはじめ、オプティマイゼーションウエアを導入したのである。これらの枠組みの変化は、自社だけの努力により実現したものではない。取引先がSAPを導入することになったがゆえに、仕組みを変えないといけなくなったこともある。実は、見える化した経営が実現した当初、一瞬だが売上が下がった。しかし、利益は増えたのである。その後は売上も伸びるようになった。また、リーマンショックに際しては、売上が下がっても赤字は出なかった。だから現在、当社では経営が苦しいという理由で社員をリストラすることはない。月次報告も従来は翌月の半ばに上がってくるのが精一杯だったが、今では月末の夕方には速報が上がってくるようになった。スピードアップされたことで、経営の体質も良い方向へと改善した。

 その経営の体質の変化は、サイバーマニュアルのマニュアル数の増加でも見ることができる。サイバーマニュアルのマニュアル投稿数は2000件を超えるまでは3年かかったが、それ以降は自己増殖を始めた。これこそ、経営の体質が変化したことの表れである。派遣技術者としてしかやっていけなかった社員が一人ひとり、サイバーマニュアルを作り周囲とコミュニケーションして整理していくことで知恵やモチベーションを獲得し、サービスやマネジメントができるようになっていったからである。