エキスパートは必要ない、expertise(専門知識)が大事

 実は当社には営業や総務部、人事部はない。社員一人ひとりがマルチファンクショナルスタッフとしてサイバーマニュアルを活用し、業務を遂行する。したがって当社ではエキスパートは増やすつもりはない。そうではなく、expertise(専門知識)を増やすことは大切にしている。サイバーマニュアルにより個人知が集団知となり、さらにその集団知が個人に戻り、知恵や知識を獲得できるからだ。そうすることで“●▲”に関する知識は誰に聞けというような、権威が発生する。そして権威の発生は企業の成長を促す。

 会社の体質が変わったことで、社員の価値観が豊かになり、社員の多機能化が進んだ。また社内のコミュニケーションが向上し、組織学習も進歩。学習は個人に任せているが、中には当社に入ってから博士号を取得した人が何人もいる。

 最後に三技協がこれまでに達成したことをまとめる。

経営の健全性:意思決定の構造や施行のルール、けん制の仕組み
人材育成の構造:スキルベースド・コンピテンシー、目標管理制度
見えない資産の見える化:ナレッジシェアリング、全体図の中での詳細図が見えるようになった(インタンジブルズ)
業務プロセスの標準化:常に改版が進む(標準超克)、組み替え可能(容易)なインデックス、使用者中心主義
いつでもできる事業継承:組み替え容易なプラットフォーム

 これらにより、作業労働者が知的労働を始めた。2010年度には過去最大の利益を達成。2011年度も売上、利益ともに堅調に推移した。経営のプラットフォームが整備されたので、もはや将来に対する不安はもはやない。後顧の憂い無く、いつでも引退できる。