複数の目的を1つのイベントで実現する

 逆に、すでに何らかの目的のために実施している幾つかのイベントを束ね、1つのイベントに複数の目的・意味を持たせる「Multi Purpose, One Event」の考え方も重要です。

 多くの関係者を巻き込んで準備し、一堂に人を集めるイベントは、当然コストが相応にかかります。会場費や参加者の交通・宿泊費、イベントを演出・運営するための外注費などはもちろん、もっともインパクトが大きい関係者の準備工数や参加者の機会費用を考えた場合、イベントの数を統合し機会対効果を高めることが、経営観点では非常に重要です。

【事例】研修旅行
 スキルの獲得、成長機会の提供を目的にした企業内研修と、社員の慰労やモチベーションUPを目的とした社員旅行を統合した「研修旅行」などは、対象層の選定と企画内容次第で非常に有効なイベントとなります。

 例えば、シニア層のモチベーションUPとロイヤリティUPをはかる研修旅行。企業の高年齢化がテーマにあがる昨今、シニア層のモチベーションを高め、後進の育成やナレッジの伝承へのマインドを醸成することは多くの企業にとって死活問題です。しかし、今更シニア層に対して座学の研修を実施しても効果は薄いでしょう。ごますり的な報奨旅行を企画する余裕もないと思います。そこで、「伝承」や「継承」をテーマに取り組んでいる企業や地域の活動を見聞き、対話し、自らのこれからの取り組みについて考える機会を「研修旅行」として提供する。会社からこのような機会を再度提供することは、シニア層への期待を伝え、ロイヤリティを高める絶好の機会になり得るはずです。

 もちろんシニア層だけでなく、ハイパフォーマーに提供しているインセンティブイベントも、単なる報奨としてのツアーではなく、ハイパフォーマー同士のナレッジ共有機会、新しい知見が獲得できる機会として研修的な要素を取り入れることを考えるべきです。ハイパフォーマーであればあるほど、自身のさらなる成長機会や学習機会を欲するという傾向があるため、「報奨」+「学習」の目的を同時にかなえるイベントはむしろ有効に働きます。