新人教育の目的を「自律的に成長できる社会人になる」と定義

高橋:まず、新人教育の目的として、

「自律的に成長できる社会人になる ―― [心]仕事の目的意識の探求、 [体]仕事を成し遂げる行動力の獲得、 [技]必要な知識スキルの習得」

と定義しました。これは、期間中繰り返し伝えてきたことです。特に、目的意識について、「自分で見いだす」ことを大切にしたいと思いました。最もそれが反映されているのが5月です。この1カ月は「計画学習」として、企画サイドでは全く事前にカリキュラムを組まず、一人ひとりに「6月のシステム開発の時にチームのメンバーとして戦力になる」レベルを設定させました。その上で、そのために何をどこまで勉強するのかを定義させ、その教材を自分たちで決めさせ、私たちに“教えてください”と依頼させることにしたのです。

吉岡:「達成目標設定を低くしてしまわないか」とか「教材も適切なものを選べるだろうか」とか、考えませんでしたか。よく、そんな「計画無き計画」が社内で通りましたね。

高橋:もちろん不安はありました。しかし、結果的には、例年よりも各自の技術レベルが向上した1カ月だと認識しています。とはいえ、実は、いきなりそれは無理だろうとさすがに思っていましたので、入社前の内定者期間の「行動力」のところで、3つの目標、

  1. 働くことへの意識を高めること
  2. 仕事に必要な知識・スキルを身につけること
  3. 自律的に成長するための行動力を高めること

を伝えた上で、「そのために具体的に何に取組むのか」について、計画させ、ポータルサイトを通じて定期報告をさせました。

吉岡:それにしても、学生ですから、サボるとまではいかないまでも、「このくらいでいいや」という内定者もいたのではないですか?

高橋:ええ、人によって差はありました。しかし、それについて評価することはしませんでした。評価コメントを出したとたんに、こちらから目標レベルの目安を示すことになり、その目標レベルに「合わせようとする」人が必ず出てきますから。そして、年内は一人ひとりの計画についてはオープンにせず、12月の内定者による中間報告会で、それぞれの計画と進捗を共有させました。先ほどお話ししましたが、「差をつけられたくない」マインドが強く働きますので、こちらから「やり直せ」などと指示しなくても、「どうする?」「このままにする?」と問いかけるだけで、「書き直してもいいですか?」と向こうから言ってきましたね。