吉岡:その内定者期間での体験をベースに、5月の1カ月間は、各自の達成目標とそのための学習計画を提出する、という仕組みなわけですか。

高橋:一人ひとりの計画、とお伝えしましたが、結局、初級/中級/上級の3クラスに分かれて、それぞれで教材を決めて“教えてください”と来ました。

吉岡:それは、たまたま自主的に3クラスにした、ということですよね。計画がもっと細分化して、一人ひとりがバラバラな学習計画を立て、それに合わせた“教えてください”の依頼があったら、どうするつもりだったのでしょうか?

「どう育てればいいのか」がますます大切になる

高橋:そうしたら、「リソースはこれだけだけど、どうする?」とか「現場の先輩にお願いしてみる?」とか、問いかけたと思います。あとは自分で考え、行動する。その下地は十分に作れていたと思いますので。実際は講師として、現場のみなさんのリソースを事前に確保をしていた部分もありまして、これは一方で、現場での受け入れ時に「ああ、あなたが来たのか」というソフトランディングの効果も期待してのことです。また、上級グループに、初級・中級グループへの研修も任せたりもしました。これもこちらからは「やってみる?」で。結果は、まあ、「自分が知っているのと人に教えるのは別だと学びました」というレベルのものでしたが、教えられるほうも、教えるほうのつたなさを知った上でフォローしたり、お互いにとってなかなかいい時間だったと思います。

吉岡:どこのIT系の企業でも、新入社員の技術格差については頭を悩ませていると聞きます。上級者に合わせると、初級者はついて来れないし、逆にすると上級者は遊んでしまう時間がどうしてもできてしまうし…。そこを上手くクリアできた感じですね。

高橋:今年は、むしろ上級者たちが一番大変な思いをしたのではないかと思います。オーバースペックな目標を設定したり、意見がなかなかまとまらなかったり、最後までいろいろ苦戦してましたね。それもまた、貴重な経験ということで。

吉岡:新入社員研修期間も終了し、配属されてしばらく経ちますが、現場での働きぶりはいかがでしょうか? 期待される結果になっていますか?

高橋:実際にはこれから真価が問われるということになるかと思います。今のところ現場からは総じて「積極的」という声をいただいています。部署によっては配属後にしっかりと現場に即した教育カリキュラムを組んで勉強をさせたり、計画的に仕事を与えたりしているところもあるかと思いますが、そういう部署に配属された新人は逆に拍子抜けしているかもしれません。もちろん、プロジェクトの一員として活躍しだすと、それぞれのリーダーのやり方がありますから、どんなリーダーの下でも、しっかりと自律して仕事を進められるように成長することを期待しています。

吉岡:ありがとうございます。最後に、新人研修を企画・担当している方々に向けてメッセージをいただけますか。

高橋:冒頭にもお話ししましたが、新人研修というと「何を教えればいいのか」とか「どんな研修があるのか」が話題の焦点になりがちです。これからは、「どう育てればいいのか」がますます大切になってくる気がします。今回、「富士通グループの最先端」などというタイトルが付けられていて、ちょっと恥ずかしい気もしますが、自分としてはこれは最先端でも何でもなく、割と汎用的な「育てかた」ではないかと思っています。同じような考え方の担当者と、意見交換や、情報共有をもっとできたら嬉しく思っています。