リップシャッツ 信元 夏代
アスパイア・インテリジェンス社 代表取締役

 スモールビジネスを効率よく回していくためには、あらゆる専門分野に特化した他のスモールビジネスとのネットワークを最大限に活用し、協力体制を整えながら円滑に事業を進めていくことが重要です。これが初期段階における成長の秘訣です。ここでいう協力体制とは、「俗に言うアウトソーシングよりももっと密にチームとしてプロジェクトに取り組むことができ、スモールビジネス同士がお互いに専門分野を補填しながらビジネスを進めて行けるようネットワークを構築する」ということです。

専門家ネットワークのチーム体制

 事業の初期段階には特に言えることですが、自社内でのリソースは少なく、 1人あるいは1社でできる事は限られています。限られた人材、リソースを最大限に活かし、初期段階の事業を効率よく成長させていくためには、自社のコア・コンピテンシー(中核となる能力や最も得意とする専門分野)は何なのかを見極め、そこにピンポイントして事業展開していくことが大切です。そうすることで、より高い価値創造を実現することができるからです。そして、コア・コンピテンシー以外の分野で自社の事業に必要な部分は、信頼のおける専門家たちとの協力体制を組み、専門家同士が集まった一つのチーム体制を構築して臨むのです。

 弊社を例に具体的に説明しましょう。弊社の事業は、マーケティング戦略設計、及び組織開発におけるコンサルティング業務です。それぞれにコア・コンピテンシーがあります。例えばマーケティングの場合、弊社では市場調査から分析、戦略の設計という、マーケティングの中でも川上部分のインテリジェンス分野に注力しています。このため、PRのアクションプラン施行の際にはPR会社を、マーケティングツール類作成などの際にはクリエイティブ・デザイン会社をチームに引き入れ、プロジェクトの最初からチームの一員として進めるような体制をとっています。また組織開発については、弊社はファシリテーターとしての役割や、プログラムのデリバリー部分にコア・コンピテンシーを持ち合わせているため、例えば企業内研修プログラムのカスタマイズが必要な場合、プログラム開発を得意とするパートナー企業と共に実施し、ナレッジの幅と深さを広げて対応しています。このように、プロジェクトの内容に応じて必要なチームをすぐに揃えることができるよう、常に専門家たちとのネットワークを維持しています。

 しかし、もしあなたが、専門分野がはっきりとしていないジェネラリストだったとしてもがっかりすることはありません。ジェネラリストである故に優れている能力があるからです。それはコーディネーション能力でしょう。どの会社・人材に、どのような能力や得意分野があり、自分の事業に必要なスペシャリストをどのように取り入れたら最も効率よく事業が回せるか。それを考え、全体をコーディネートしていく力は、ジェネラリスト・タイプの人達にはあるはずです。

 チーム体制を組む意義は、各自に独特の専門分野の知識を提供し、それを活用していけることにあります。ですから、チームの中にジェネラリストは何人も必要ありません。あなたがジェネラリストならば、あなたの事業に必要なそれぞれの分野のスペシャリストを、あなたがもしスペシャリストならば、あなたの専門分野以外のスペシャリストと、すべてを統括できるジェネラリストがチームの中に必要になってくるでしょう。

 こうして、スモールビジネス同士が協力体制を作り、お互いの強みを補填しながら、お互いの事業の成長への相乗効果を目指していくのです。