リップシャッツ 信元 夏代
アスパイア・インテリジェンス社 代表取締役

 ビジネスプランとは事業計画書のことで、企業戦略・資金調達などの命題を織り込み、論理的に体系化し、事業の現況や展望を分かりやすく明確に文書に仕上げたものです。また、ビジネスプランは、投資家や金融機関などの外部機関から資金を引き出す「打出の小槌」にもなり得るもので、事業開始に欠かせない最初のステップです。

 どんなに良いアイデアやビジョン、熱意があっても、現実的なビジネスとして成功できるのかを検証しなくては、確実に成功に導くことはできません。ビジネスプランは、起業後も事業が適切な針路を進んでいるかどうかをチェックし、必要に応じて軌道修正を加えるための「航海図」でもあります。つまり、ビジネスプランの策定は、これから事業を興そうと考えている起業家だけでなく、あらゆる事業に関与する広範囲の人々にとって、事業の成功確率を高めるために必要不可欠な存在だと位置づけることができます。

ビジネスプランに盛り込む内容

 明確なビジネスプランを作成するには、単に「ビジネスプランの書き方」というような形式的・技術的側面ではなく、「(新規)事業を成功させるためにはいかに事業を組み立て、それを運営していくか」という、実質的・経営的側面での専門的なスキルが必要になります。

 一般的な内容構成は次のとおりです。

●事業計画の要約(エクゼクティブ・サマリー)
 エクゼクティブ・サマリーは、その事業が提供する価値を中心に、ビジネスプランの要約を簡潔に1ページ程度にまとめたものです

●マネジメントチーム
 何をするか、と同じくらい大切なのは、「誰」がするか。その事業に関わる人々のバックグラウンドや、いかにそれらの人物が、事業を成功に導くことができるスキルや経験を持ち合わせているのか、アピールします

●ミッション、ゴール
 その事業を通して達成したい、強いミッション、そしてゴールを明確に提示します

●事業の詳細
 ― 解決しようとしている問題、解決方法、ビジネスモデル
   事業を通して解決したい問題や、社会から求められているニーズ、または、「世間に空いている穴」は何なのか、どのような方法で解決しようとしているのか。そしてそれをどのようにビジネス化していくのか?
 ― 訴求するターゲット市場、セグメント
   その問題の解決は、誰がどんな場所で必要としていることなのか?
 ― 商品・サービスの内容
   そのターゲットに対し、問題を解決するために展開する商品やサービスを具体的に説明
 ― 競合環境、業界動向、比較
   同様の商品・サービスを提供していたり、同様の問題解決に対する別の事業アプローチにはどのようなものがあるか?彼らの特徴は?その業界のトレンドは?そして競合と比較して、自身の事業はどのような優位性や差別化を提供できるのか?
 ― マーケティング戦略、営業計画等
   事業を具現化するため、商品・価格・チャネル・PRなどのマーケティングミックスをどのように構成し、どのように営業を進めて売上げを上げていくのか
 ― マイルストーン
   いつまでに何を達成していくのか、この先5年間分くらいの中期実行計画
 ― 考えられるリスクとその対応策
   この事業を実施するにあたり、外的リスクや内的リスクにはどのようなものが考えられるか?そしてそれらのリスクに直面した時、どのように対応できるのか
 ― 出口戦略
   将来的にこの事業から撤退する場合、どのようにして経済的損失を最小限に抑えて撤退するのか
 ― 財務計画
   経営目標を設定。立ち上げ後5年間くらいの財務計画を通し、売上高、コスト、利益の予測を行う
 ― バックアップ資料
   もし既に事業展開などしている場合は商品や製造現場の写真、資料類、など、この事業についての理解を深めることができる補足資料があればそれも追加するとよい