予算をかけずにマンネリ感を払拭する手法

 1年に複数回のイベントを実施している企業組織の事務局担当者や、商品サービスのライフサイクルが長く、組織のフェーズや体制があまり変わらないような企業組織のイベント担当者にとって、マンネリ感を払拭するための手法を持ちたいというのは、偽らざる切実な思いでしょう。また、多くのイベントの場合、予算や場所といった制限があるのが現実です。ここでは、予算をかけずにイベントのマンネリ感を払拭する方法をいくつか挙げてみたいと思います。

(1)フォーマットではなく、ストーリーに焦点をあてる
 例えば、表彰イベントの場合、「受賞者にスポットライトをあてて賞状を渡す」という行為は外せない演出の一つです。ところが、このルーティンのフォーマットが強調されたイベントはマンネリ感をまねきます。フォーマットは形式であり、どうしてもパターン化されてしまいます。それを演出効果でごまかそうとしても限界があります。ではどうすればよいか?

 ストーリーに焦点をあてましょう。表彰式の場合でいえば、表彰者の受賞ストーリーをムービーで再現したり、表彰状に記して会場に共有する、受賞者を称えるコメントを顧客やパートナーからもらう、といった方法があります。表彰というフォーマットは同じでも、受賞ストーリーは一人ひとりの個別のものです。ストーリーにスポットライトをあてると、表彰式という典型的なマンネリセレモニーがドラマのような共感を生むイベントに変わります。

(2)発表者のプレゼンテーションではなく、参加者の対話を重視する
 イベントで何かを共有しようとすると、どうしても主催者側・発表者側のプレゼンテーションに意識がいきがちです。参加者側からしてみると、「話を聞くという行為=イベント」の図式が出来上がってしまい、そのことがマンネリ感を招いてしまいます。これはどうすればよいか?

 このようなケースでは、発表者のプレゼンテーションを最小限にとどめ、参加者側の対話を促す仕掛けをイベントに施しましょう。発表者のプレゼンテーションの感想を参加者同士で共有する、プレゼンテーションする前にお題を参加者に投げかけて考えてもらうワークを実施するなど。参加者の主体性を呼び覚まし、参加者同士の相互触発を引き起こす対話を入れることで、マンネリを感じることはなくなります。プレゼンテーションよりファシリテーションを重視することが重要です。

(3)イベントの進行手順より、参加者のグルーピングに注力する
 イベント事務局と打ち合わせを進めると、イベントの進行の流れや式次第といったものには意識が高いのですが、参加者のグルーピングや配席といった部分は軽視しているケースが多いようです。ことマンネリ感の払拭という意味では、参加者同士をどうグルーピングするかという観点は非常に重要です。(2)で対話が重要とお伝えしました。そこにグルーピングの要素を掛け合わせると、より日常の組織や業務の枠組みから外れた対話が巻き起こり、マンネリ感を払拭することが可能になります。

(4)イベント事務局や話者を変える
 イベントを実施する人やプレゼンテーターが固定されてしまうと、どうしてもその人の発想の枠組みの中でイベントが企画されます。すると参加者は同じ光景のイベントとして受け取るため、マンネリ感を強めてしまいます。イベントを企画する事務局担当者や当日のプレゼンテーターを思い切って変えてみましょう。もちろん目的を踏まえた人選は重要ですが、参加者視点からみれば「何を」言うかよりも「誰が」言うかの方が大きなインパクトを与えるケースもあります。思い切った若手の登用や意外な人物の登用によって、イベントに流れる空気を変えてみることは時に大きな効果をもたらします。

 イベントの効果は、人を一堂に集めた状態で何らかのメッセージを発信することにより、情報や感情を共有すること(Sharing)、参加者同士の関係性や一体感を醸成すること(Building)、参加者のモチベーションやロイヤリティを高めること(Promoting)です。マンネリ感を抱えたままでのイベントでは、この効果が得られないどころか、逆効果になりかねません。

 自社組織のライフステージや、解決したい組織課題に繋がるイベントの実施目的と意味付けを研ぎ澄まし、形式としてのイベントではなく、参加者のストーリーや参加者同士の対話を重視したイベントを実施する。マンネリ感を払拭し、企業活動、組織運営にダイレクトにインパクトを与える「イベント・フォーカス・マネジメント」のコツはここにあります。

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